新型肺炎「パンデミックの可能性」、WHOが各国に一段の警戒要求

[ジュネーブ 27日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は27日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大について「パンデミック(世界的流行)の可能性がある」とし、自国には感染しないという考えは「致命的な誤り」と各国に一段の警戒を促した。

テドロス事務局長は「いかなる国も、自国での感染はないとの思い込みは文字通り致命的な誤りだ」と警告。「主要7カ国(G7)のメンバーであるイタリアでの流行は実に驚きで、他の多くの先進国でもこうしたサプライズを想定すべき」と述べた。

イタリアに加え、集団的な感染が発生しているイランや韓国については、なお局地的な流行で、持続的な地域感染にはなっていないとし、感染封じ込めに向けた「決定的な時期」にあると警鐘を鳴らした。「恐怖におびえる時ではない。感染を防ぎ、命を救うために行動する時だ」とも強調した。

イラン保健当局はこの日、新型ウイルスによる死者が計26人になったと発表。感染者も前日から106人増え、245人に達した。エブテカール副大統領(女性・家族問題担当)が感染したことも明らかになった。

緊急事態プログラムの責任者マイク・ライアン氏はイランで致死率が約10%と高いことについて、政府が公表している数字以上に感染が広範に至っている可能性を示していると指摘。軽度の感染が確認できていない恐れがあり、治療というよりは監視面に問題がある恐れがあると述べた。

また、今夏の東京五輪の大会組織委員会と緊密に連携しているとし、開催の是非について直ちに決定されるとは思っていないと述べた。

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