新型肺炎が影響、宿泊キャンセル9万人 静岡県内1~3月

静岡県と県観光協会は7日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が主因とみられる県内の旅館、ホテルなどの宿泊予約キャンセルが1~3月で9万277人分に上ったと発表した。5日時点で県内34の主要観光地の観光協会などに行ったアンケートの結果をまとめた。「中国の団体予約は全てキャンセル」という施設もあるという。

 調査によると、28の地域で宿泊予約への影響が「ある」と回答し、「なし」は6地域にとどまった。キャンセルの月別の内訳は1月末までが8078人、2月分が5万3675人、3月分が2万8524人。影響額は分かっていない。

 地域別では、浜松市地域(市街地、舘山寺温泉、舞阪)が4万2080人で全体の半数近くを占めた。御前崎、掛川、熱海も多く、静岡空港の付近や交通アクセスの良い場所が目立った。

 施設からは「日本人客から中国人がいるならいかないとの声がある」「例年予約が入っているところが来ない」などのコメントも寄せられたという。

 宿泊施設とは別に県内旅行業者292社を対象に行ったアンケートには83社が回答し、日本人と外国人計5701人の旅行キャンセルや延期が報告された。

 県の担当者は結果について「中国人のキャンセルが多いが、日本人の外出控えもある。収束後を見据えた誘客策が必要」と指摘。県ホテル旅館生活衛生同業組合の担当者は「インバウンド客が増える中、県内宿泊施設は中国人観光客がかなりの割合を占めていただけに深刻だ。東京五輪・パラリンピックも控え、影響がどこまで広がるか見通しが立たない」と危機感を強めている。

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