新型コロナウイルスによる肺炎を感染症法の「指定感染症」とするための政令が1日、施行された。宮城県内で感染の疑いがある患者が発生した場合、県と仙台市は、隔離施設のある7カ所の感染症指定医療機関への入院を勧告する。患者が拒否しても、感染拡大防止のため、強制的に入院させることが可能になった。
感染の疑いがある患者が発生した場合の対応の流れは図の通り。
県内の各保健所に病院や診療所から受診報告、患者本人から相談があった場合、保健所は指定医療機関と患者の受け入れを調整し、症状や空きベッド数を踏まえ、入院先を決定する。
指定医療機関は、極めて症状の重い患者に対応する「第1種」が東北大病院。軽症者を含めて受け入れる「第2種」に仙台市立病院、大崎市民病院、公立刈田総合病院(白石市)、石巻赤十字病院、気仙沼市立病院、栗原市立栗原中央病院の6機関が指定されている。
患者がいる場所まで自治体の公用車や民間の救急車を手配し、入院先の病院の感染症専用の出入り口まで搬送する。今後、軽症者が多数発生した場合は、自力で病院に行くように指示する可能性もあるという。
入院後、患者から採取した検体は専門機関で分析する。仙台市内の患者は市衛生研究所(若林区)、市外は県保健環境センター(宮城野区)に検体を送り、ウイルスの有無を調べる。
結果は1、2日で判明する。陽性だった場合は入院が継続となり、保健所は患者の家族、職場の同僚など「濃厚接触者」の調査を開始し、必要に応じて汚染された場所を消毒する。陰性と判明し、症状が軽い場合は帰宅することもできる。
仙台市健康安全課は感染予防のため、手洗いの徹底とマスク着用を求めるとともに、「感染の疑いがある場合はすぐに受診せず、まずは病院や診療所、保健所に電話で症状を話してほしい」と呼び掛けている。