新幹線車両つまみ食い…中国、年内に時速300キロ

■南方機車、試作車完成の見込み

 新華社電によると、中国の鉄道車両メーカー大手、中国南方機車車両工業集団は、時速300キロの高速走行が可能な鉄道車両の国産化で研究開発を進め、年内に試作車両を完成させる方針であることを明らかにした。

 同社は川崎重工業など日本企業と提携し、東北新幹線「はやて」をベースとした在来線高速化のための車両「CRH」37編成を製造した。胡錦濤国家主席が呼びかけている「和諧(調和)社会の構築」にちなみ、新型車両は「和諧号」が愛称となっている。今月18日から時速200キロで営業運転に使用されている。
 この実績を生かして同社傘下の南車四方で時速300キロ型の車両を開発するが、国産化比率などについては新華社電は触れていない。CRHの投入では日本からの技術導入についてほとんど公表しておらず“国産”と故意に誤解させている。
 18日に始まったのは鉄道ダイヤ改正に伴って中国の在来主要路線での高速化。日本だけでなくカナダやフランスの車両がベースの車両を各地に投入し、一部区間では時速250キロで運行する。

 高速化の対象路線は北京-上海など大都市間のほか、上海を中心とする長江デルタ地域などの都市間路線の総延長約6000キロの区間。従来の時速160キロからスピードアップされ、運行時間は20~30%短縮された。
 北京~上海の場合は従来の約12時間から約10時間に短縮された。中国では在来線とは別に、北京-上海間などに新たな高速鉄道路線を建設し、時速300キロ以上の高速車両を導入する「中国版新幹線」も建設する検討が進んでいる。この高速鉄道の受注を狙う日欧などのメーカーが、実績作りとして在来線での技術協力で競わされている。

 中国南方機車車両工業集団が試作する時速300キロ車両についても、日本などに技術供与を求めている可能性が高い。(河崎真澄)

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