新感覚ジーンズ「エドウイン・ジャージーズ」 年間販売目標を上回る大ヒット

 縮小傾向が続くジーンズカジュアルウエア市場。中でもジーンズは、低価格品の台頭や少子高齢化の影響で苦戦を強いられている。市場の回復に向けてメーカー各社はオリジナル商品の開発や売り場改革に力を入れており、ジーンズメーカー大手のエドウインは2011年12月、新感覚ジーンズ「エドウイン・ジャージーズ」を発売、年間目標販売本数を上回るヒット商品となり大きな注目を集めている。
 ◆“ラクでカッコイイ”パンツ
 ジャージーズは、見た目は普通のジーンズだが、伸縮性のある独自素材を使用することでジャージのようなラクなはき心地を実現した新ジャンルパンツ。ジーンズをはいたときのぴったり感とは異なり、軽くてしかも良く伸びるのが特徴。ノンストレスな着用感と本物のジーンズの外観を実現した“ラクしてカッコイイ”パンツだ。
 ジーンズは通常、青藍を呈するインディゴ染めされたタテ糸と染めていないヨコ糸で綾織りされた綿の厚地生地(デニム)だが、「ジャージーズはインディゴ染めの糸とポリウレタン、ナイロンの3つの糸で編んでいる。以前にレギンスで一部編んでつくったものはあったが、ジーンズ素材は世界でも初めて」と、企画・生産を担当する青野睦氏は説明する。
 ◆「24時間はいてもらう」がコンセプト
 調査会社の矢野経済研究所がまとめた「ジーンズカジュアル市場に関する調査結果2012」によると、2011年の国内カジュアルウエア市場規模は、小売り金額ベースで前年比2.8%増の6兆50億円と、2年ぶりに増加した。しかし、国内ジーンズカジュアルウエア市場規模は同1.0%減の1兆1480億円と3年連続のマイナスとなった。チラシの抑制やセール回数の減少などが要因とみられており、メーカー各社は付加価値の向上や客層拡大に向けた新商品開発などを急いでいる。
 ジャージーズの開発について、エドウインのセールスプロモーションを行っている高嶋大輔氏は、「ボトムに求められる要素が変わってきている中で、ジーンズを部屋着のように24時間はいてもらうことをコンセプトにした」と話す。また、青野氏は「通常、ジーンズの新商品を開発する場合、生地の開発から始まって店頭に並ぶまで約1年かかるが、ジャージーズは開発期間に2年かかった」と言う。同社の力の入れ方がよくわかる。
 ◆より軽い「ジャージーズ・ライト」も
 すべて国内生産で、年齢を問わず高い人気を得ているジャージーズは、当初の販売目標だった年間10万本を大きく上回る50万本を販売した。「機能だけでなく洗濯を繰り返しても寸法の変化や細部が壊れたりしないなど、品質の高さも評価されている」と青野氏。その上で、「他社の同じような製品よりも販売価格が高いにもかかわらず、お客さまはエドウインを選んでくれている。リピーターも多い」と、自信を見せる。
 メンズ、レディースともに、すっきりタイプの「ストレート」(価格は8295円)とゆったりタイプの「テーパード」(同)があるが、いろいろなシーンではいてもらうために商品ラインアップの充実も図っている。今春には春夏向けの「ジャージーズ・ライト」も投入した。
 ジャージーズ・ライトは、通気性に優れ、肌触りの良い「カノコ(鹿の子)編み」でデニムを再現したもので、「従来の綿100%ジーンズに比べて約40%軽量化した。生地の薄さとよく伸びるストレッチ性とあわせて、今までにないはき心地を実現した」(高嶋氏)。
 このほかにも、定番のブルーデニムに加え、パープルやピンク、オリーブなどカラーバリエーションも増やした。
 ◆海老名SAに期間限定ショップ
 「エドウインとして、商品ラインアップの大きな柱ができた。さらなる販売増に向けて、新しい仕掛けも展開していく」(高嶋氏)。その1つが、15日から5月8日まで東名高速道路海老名サービスエリア(SA)内に開設している期間限定のショップだ。
 「ゴールデンウイーク(GW)を含む春の観光シーズンは家族連れで訪れる人が多い。期間限定ショップは、プロモーションも兼ねており、今まで商品を置いたこともなかったような場所に出店することで、より多くの人に体感してもらいたい」と高嶋氏は大きな期待を寄せる。

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