宮城県が主導する仙台医療圏4病院の再編構想で、新たな2拠点病院の整備先と見込む名取、富谷両市が建設候補地を県に提案することが27日、分かった。名取市が植松入生地区、富谷市が明石台地区。山田司郎名取市長と若生裕俊富谷市長が同日午後に県庁を訪れ、村井嘉浩知事に伝える。具体的な用地のめどがつくことで、県が目指す本年度内の基本合意に向けた関係機関の協議が進展しそうだ。
関係者によると、名取市が植松入生地区の民有地(約4・8ヘクタール)、富谷市が明石台地区の土地区画整理事業地(約6ヘクタール)を候補地にそれぞれ選んだ。いずれも幹線道路や高速道のインターチェンジに近く、交通アクセスに優れる。
構想では、名取市に県立がんセンター(名取市)と仙台赤十字病院(仙台市太白区)を統合した病院、富谷市に県立精神医療センター(名取市)と東北労災病院(青葉区)を合築した病院をそれぞれ整備する。
施設の老朽化や経営環境の悪化を背景に村井知事は2020年8月、がんセンター、赤十字、労災の3病院での連携統合協議の開始を表明。21年9月には精神医療センターが枠組みに加わった。名取、富谷両市は当初から新病院の誘致に名乗りを上げていた。