岩手県一関市東山町の「石と賢治のミュージアム」が保管展示する古生代の海生生物コニュラリアの化石が新種と分かり、宮沢賢治の造語「イーハトーブ」にちなみ「パラコニュラリア・イーハトーベンシス」と命名された。
コニュラリアの化石は地質時代で古生代のデボン紀(4億1600万年前~3億5920万年前)の地層から見つかった。細かい線が横に入った四角すいの殻を持つ、クラゲに近い海生生物と考えられている。化石は殻の部分で長さ約5センチ、幅約1センチ。コニュラリア化石の採取報告は国内で3例あり、今回は年代が特定された初のケースという。
地元の化石愛好家七田清さん(故人)が1990年代に東山町長坂で収集し、ミュージアムに寄贈。児子(にこ)修司広島大大学院助教と永広(えひろ)昌之東北大名誉教授が昨年から調査し、新種と分かった。
ミュージアムの菅原淳館長は「岩手県大船渡市でも先頃、国内最古の植物化石が見つかっており、化石への関心が盛り上がるといい」と喜ぶ。
化石は常設展示で見られる。入館は大人300円、高校大学生200円、小中学生無料。午前9時~午後5時。月曜休館。連絡先は0191(47)3655。