新築マンション、室内放射線量1マイクロシーベルト超 二本松

福島県二本松市は15日、同市若宮の賃貸マンション(3階、12世帯)の1階の室内から毎時1マイクロシーベルトを超す放射線量が測定されたと発表した。福島第1原発事故で、計画的避難区域に指定された福島県浪江町で採れた石を材料とするコンクリートが建築資材として使われたことが、原因とみられる。
 市によると、線量は毎時1.16~1.24マイクロシーベルトで昨年12月、1階の4世帯の全ての部屋で計測した。同月の二本松市役所の空間線量(0.59~0.77マイクロシーベルト)より高い。
 測定は、住人の未成年者の携帯する積算線量計が昨年9~11月の3カ月間で1.62ミリシーベルトと高い値を示したことを受け、全室を対象に行った。2、3階は毎時0.1~0.38マイクロシーベルトだった。
 石は3月12日の原発事故前、浪江町の採石場で採取され、現場の屋根付きの保管場所に置かれた。町が避難区域に指定される4月22日までに搬出され、コンクリートに加工されてマンションの基礎などに使われた。現場保管中に放射能に汚染されたとみられる。
 マンションは鉄筋コンクリートで7月に完成した。市は1階の4世帯が転居できるよう国と県に働き掛ける。国はこの石が他の建設現場に用いられていないかどうかを調べる。

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