仙台市は、新築建築物への太陽光パネル設置を促進する制度の導入に向け、具体的な検討を始める。東京都が新築住宅への設置を義務付ける条例を制定するなど、全国的な流れに追随。市の温室効果ガス排出量の2割(2022年度)を占める家庭からの排出を抑制し、脱炭素社会の実現を目指す。
市は近く市環境審議会に諮問する方針。審議会は制度の意義や対象範囲、パネルの設置基準などについて議論し、来年夏ごろに中間案をまとめる。
市内のハウスメーカーやマンションデベロッパーなど約50事業者に実施した市のヒアリングでは、「時代の流れ」「設置事業の追い風になる」と、総論としては一定の理解を得た。
一方、制度設計を巡っては太陽光パネルの設置費用への補助金交付、実態に見合った設置容量の設定を求める意見が寄せられた。
東京都や川崎市は、ビルやマンションといった大規模建物の建築主、大手ハウスメーカーを対象に設置を義務付ける条例を制定。いずれも来年4月から事業者ごとに設置容量のノルマを課し、自治体に結果を報告させる。
仙台市は各地の先行例を踏まえ、設置を義務化するか、努力義務にとどめるかを含めて慎重に判断する考え。市民の健康や快適な暮らしの確保を念頭に、市が推進する住宅の断熱化も盛り込み、独自色のある制度内容を視野に入れる。