国土交通省は10日、住宅の「脱炭素化」を進めるため、2030年までに新築戸建て住宅の6割に太陽光パネルを設置するという数値目標を設ける方針を明らかにした。目標達成に向け、設置にかかる負担を軽くする補助金の拡充など支援策も検討する考えだ。
この日あった同省の有識者検討会で示された報告書案に盛り込まれた。ここ数年の新築の太陽光パネルの設置率は15%前後にとどまっており、6割の達成は容易ではない。このため、検討会では、設置費用の一部を補助する制度の拡充や税制による負担軽減などの支援策を講じるよう求めた。
検討会では太陽光パネルの設置義務化も焦点だったが、今回は見送られた。報告書案では、将来の義務化も「選択肢のひとつ」として今後検討するとした。前回の会議では、義務化への表現が不十分で、委員から異論が出たが、今回はおおむね了承された。
このほか、断熱材を壁に使ったり二重窓にしたりして冷暖房の使用を抑える省エネ基準を新築住宅にも25年度に義務づけることも盛り込まれた。22年度からは省エネ基準を満たさないと新築住宅の補助制度を受けられないようにする。(木村聡史)