宮城県登米市は2日、市中心部に建設予定の多目的・複合施設「地域交流センター(仮称)」に、現在3カ所に分散している市役所本庁機能を集約する方針を示した。市長室など中枢機能が入る迫庁舎は解体する予定で、事実上の市役所本庁舎の建て替えとなる。市民交流スペースや議会棟、図書館などの機能も盛り込まれ中心市街地のにぎわい創出を図る。
事実上の庁舎建て替え
同日あった市議会「中心市街地等活性化特別委員会」で説明があり、予定地は同市迫町の中江中央公園近くの市有地。図書館を含む全ての機能を複合施設1棟にまとめる集約型、敷地内で図書館と議会棟を分けて建設するエリア内分散型、南方庁舎を改修して図書館として活用する市内分散型の3パターンを提示した。
いずれのパターンでも複合施設には迫と南方、中田3庁舎に分散している本庁機能を集約させるほか、市民交流スペースと保健センターを組み込む。
エリア内分散型では、複合施設の延べ床面積は約1万5580平方メートルで、そのうち市民交流スペースは1万350平方メートル、市役所スペース4830平方メートル、保健センター400平方メートル。別棟で図書館3500平方メートル、議会棟1820平方メートルを建設する。
総事業費は約147億円で、合併特例債や補助金などを活用できるため、市の実質的な負担額は約47億円となる。
市長室や総務部、議会など中枢機能が入る迫庁舎は築48年と老朽化も進んでいることなどから解体する。南方、中田両庁舎は支所として利用する。
市によると、交流センターの基本計画などの策定業務は10月下旬にプロポーザル方式で業者を募り、12月下旬に契約を結ぶ。建設工事は2027年度に着工する予定で、合併特例債起債期限の30年度に完成する。
交流センター計画が長期的に財政コスト軽減につながるとの試算も示された。迫、南方、中田3庁舎を修繕して60年まで活用した場合、経費約173億円が必要となる。補助金などを活用できないため、全額市の負担となる。 一方、交流センターを新築した場合、累積経費は約250億円に上るが、補助金などを活用できるため150億円程度に抑えられるという。