【ワシントン=渡辺浩生】米調査会社オートデータが4日発表した2010年の米新車販売台数は、業界全体で前年比11・1%増の1158万8783台と5年ぶりに前年を上回った。しかし拡大を続ける中国市場の規模には及ばず、2年連続で世界最大市場の座を中国に譲った。またトヨタ自動車は大規模リコール(回収・無償修理)問題の影響で、米国で3位のメーカーに転落した。
米新車市場は、2008年以降の金融危機や一昨年のゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーの相次ぐ経営破綻による長期的な販売不況からの脱却を印象づけた。しかし、09年に米国を抜いて世界最大市場となった中国の新車販売は1~11月で1639万台と、米国の金融危機前の水準に迫っており、米中の差は一段と広がっている。
メーカー別では、トヨタがヤリスやカローラなど主力乗用車の不振を受けて0・4%減の176万3595台。トヨタ以外の主要メーカーは軒並みプラスとなり、昨年再上場を果たした首位のGMは7・2%増の221万1091台。2位に返り咲いたフォードは19・5%増の193万1534台と躍進した。