大井川鉄道(静岡県島田市)が千頭(せんず)駅(同県川根本町)に留置していた、旧国鉄時代製造の「12系客車」の一部が破壊され、複数の内装部品が盗まれていたことが分かった。同社は県警島田署に被害届を提出し、同署は窃盗容疑などで調べている。
被害に遭ったのは5両編成の客車。同社によると、千頭駅で16日、行き先を示す方向幕や非常灯などが盗まれているのを駅員が発見。車両の連結部にある幌(ほろ)が裂かれており、ここから侵入した可能性がある。昨年12月1日にも、ドアを開閉する車掌スイッチや非常用ブザーなどが盗まれ、車両の窓ガラスが破損していた。
客車は平成30年に蒸気機関車(SL)用としてJR西日本から譲り受けた。29年までは山口、島根両県を結ぶJR山口線の「SLやまぐち号」として運行していた。大井川鉄道の担当者は「(盗まれたのは)貴重な部品。今からでも返してほしい」と訴えている。