方言の効用考える 東北大・小林教授、仙台で20日講演

東日本大震災の影響で地域の方言が失われる恐れがあるとして、方言の良さを見直してもらおうと、東北大方言研究センター(仙台市青葉区)の小林隆教授が20日、仙台市青葉区のエル・パーク仙台で「東日本大震災と失われゆく方言(仮)」と題して講演する。
 方言学が専門の小林教授らセンターの研究者は震災直後から、被災地の仮設住宅などで調査を実施。被災者の会話を文字や音声で記録し、会話集を刊行した。内容をインターネットでも公表している。
 小林教授は「震災により、方言をよく使っていた世代が被災した上、居住地の移転などで地域の方言が失われていく傾向が加速する恐れがある」と指摘する。
 その上で「方言には、地元住民同士の交流を促進させ、つらい経験をした被災者の心理を和らげる効果もある。まだまだ大きな役割がある」と強調する。
 「がんばっぺ」など簡単な方言でも、外部から来た支援者と被災者との円滑なコミュニケーションに有効-といった調査結果を踏まえ、実際に方言を使いながら後世に伝える重要性を訴える。
 講演は視覚障害者らでつくる「名もない花たちの会」(山下剛代表)との共催。講演後は同会によるピアノやフルートの演奏、民話などを独自の表現で朗読する「語り」の上演もある。
 午後1~3時半。入場無料。予約不要。連絡先は同会の山下さん080(1658)8459。

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