財務省が13日に発表した2014年度の国際収支統計によると、日本が海外とやり取りしたモノやカネの収支を示す「経常収支」は7兆8100億円の黒字となり、4年ぶりに増加した。
円安や原油安が進んで貿易赤字が縮小したことが大きい。ただ、超円高時代に海外に移した生産拠点からの配当などに頼っており、「海外で稼ぐ」構図が鮮明となっている。
14年度の経常黒字は、前年度から6兆3385億円増えた。投資した海外の子会社からの配当金や債券収入などのやりとりを示す「第1次所得収支」 は、前年度比10・1%増の19兆1369億円の黒字でこれまでで最大となった。エネルギー資源などへの投資から受けとるお金が増えた。
モノ以外の取引を示す「サービス収支」のうち、日本に来た外国人が買い物などで使った金額から、日本人が海外で使った金額を引いた「旅行収支」は 2099億円の黒字で、1959年度以来55年ぶりの黒字となった。円安などを背景に14年度の訪日外国人旅行者数が過去最高となったことが背景にある。