SUBARU(スバル)の吉永泰之社長は21日までにインタビューに応じ、2021年の発売を計画している電気自動車(EV)について、「既存車種にEVバージョンを追加する方が良いと思う」と述べた。EV専用車を新規開発するのではなく、既存のスポーツ用多目的車(SUV)などにEVモデルを加え、「スバルらしいエコカーを目指す」と語った。
世界的な環境規制の高まりを受け、スバルは18年にプラグインハイブリッド車(PHV)、21年にEVを発売する準備を進めている。吉永社長は「例えば(SUVの)『XV』が好きだが、EVでないと買わない人もいる」と説明。開発は初期段階のため最終決定は先になるが、既存の主力車種を全面改良するタイミングで、EVを追加するとみられる。
自動車メーカー各社はエコカーや自動運転技術などの開発競争の激化で、研究開発費が経営の重しになっている。スバルも例外ではなく、17年度に過去最高となる1340億円を研究開発に投じるため、同年度の営業利益は前年度比0.2%減となる見通しだ。
吉永社長は減益予想について「足元の業績を取り繕うのではなく、必要なことはやる」と強調。先進的な技術開発の一方、4月に社名とした「スバル」ブランドに関し、「これからも他社より数万円高くても買ってもらえるよう磨きをかけていく」と話した。