日・スペイン、着付け交流 慶長遣欧400年で関係者ら訪問

仙台市などの着付け教室関係者でつくる「国際きもの文化交流団」が今月5~11日、スペインを訪れ、和装の実演などを行った。仙台藩の「慶長遣欧使節団」派遣から400年を迎えたのを祝う記念事業の一環。一行は現地に残った仙台藩士の子孫とも面会し、両国の深い絆を確かめ合った。
 交流団には仙台、気仙沼、角田各市の着付け教室関係者ら8人が参加した。小林豊子きもの学院一番町教室代表の鈴木二三四(ふみよ)さん(仙台市)が団長を務め、渡航費はメンバー自ら工面した。
 一行は使節団が寄港したコリア・デル・リオ市、同市があるアンダルシア州の州都セビリア市の2市で文化交流イベントに参加。音楽に合わせて着物の着付けを披露したほか、現地女性をモデルにした実演も行った。
 リオ市では、使節団を率いた支倉常長の像に献花したり、現地に残った仙台藩士の子孫である「ハポン」姓の人たちと面会したりした。セビリア市庁舎を訪問した際は、市民の熱烈な歓迎を受けたという。
 鈴木団長は「歴史的に縁のある場所で日本の伝統文化を披露できたのは大きな喜び。現地の方々にも喜んでもらえた」と訪問の意義を語る。
 「きもの文化交流団」は宮城県内の着付け教室関係者で構成し、以前から独自の海外訪問を続けてきた。今回、交流400年を祝う記念事業が展開されるのを受け、在スペイン日本大使館の認定を受けて参加した。
 使節団に関連して宮城県、関係団体も記念式典やフォーラムの開催を予定している。鈴木団長は「遣欧使節団はスペインとの懸け橋になった。私たちの活動が、文化面での交流が深まるきっかけになってほしい」と話している。

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