日中、処理水で火花 「汚染水」「科学に基づかず」 IAEA総会が開幕

【ウィーン時事】国際原子力機関(IAEA)の年次総会が25日、ウィーンの本部で開幕した。 【ひと目でわかる】中国・香港による日本産の禁輸措置  会期は29日までの5日間。初日の一般討論演説では、日本と中国が、東京電力福島第1原発からのトリチウムを含む処理水の海洋放出について主張をぶつけ合い、火花を散らせた。加盟177カ国が集い、イランや北朝鮮の核問題なども議論する。  中国の代表者は処理水について「核汚染水」との呼称を用い、改めて放出に反対の立場を示した。「放射性物質の蓄積による海洋への影響には大きな不確実性がある」などと述べ、日本の情報提供は不十分だと批判した。  これに対して日本からは高市早苗科学技術担当相が登壇し、「中国は科学的根拠に基づかない説明をした」と反論。放出は国際基準に沿って「安全に運用されている」と指摘し、今後も透明性の高い情報提供を続けると約束した。  IAEAのグロッシ事務局長はこれに先立って、開始された処理水放出について独立した立場から監視や評価をしていると説明。「数十年間にわたり最後の一滴まで、被害が出ないよう取り組みを続ける」と宣言した。IAEAは7月、放出計画について「国際的な安全基準に合致する」と結論付けた報告書を公表している。 

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