日大水泳部の1年生が女子更衣室で首吊り自殺していた

2016年7月、日本大学水泳部1年生のA選手が、東京・目黒区内にある水泳部の学生寮と隣接するプールの女子更衣室で自殺していたことが「週刊文春」の取材で分かった。警察当局の捜査が入る異例の事態だったが、その後もA選手の死が公にされることはなかった。

【写真】水泳部のドンとして君臨する上野監督

「A君は関東近郊の有力校からスポーツ推薦で入学。水泳部の寮で生活していました。A君は同室の先輩との関係も決して悪くなく、悩みを抱えている素振りもなかった。自殺した朝もいつも通り練習していました」(水泳部関係者)


日大水泳部の寮(左の建物)とプール(右の建物) ©文藝春秋

付属高校の水泳部の女子部員たちによって、A君の変わり果てた姿が発見されたのは昼前のことだった。

「緑色の延長コードのようなもので首をつっており、その姿を目の当たりにした女子選手の中にはショックを受け、しばらく学校に通えなくなった人もいたと聞きました」(同前)

水泳部の上野広治監督(59)は部員に対して詳しい説明をせず、A選手の自殺を部外秘とし、寮の学生は外出禁止、そしてSNSなどの更新も禁止という指示だけが徹底されたという。

上野監督は、A選手の自殺を認めたうえで、こう答えた。

「(自殺の原因について)警察も大学も調べましたが、いまだにわかりません。私も知りたいです。大学にも水泳連盟にもきちんと報告しているが、ご遺族の『事故扱いにして欲しい』という意向もあった。私は休部や活動停止も考えたが、ご遺族から『明日の朝から通常通り練習して欲しい』といわれたので、練習も試合も続けたのです」

日大水泳部をめぐっては「週刊文春」9月27日発売号の報道によって、3年生による2年生への暴力事件が発覚。記者会見で上野監督は「運営が未熟だった」などと謝罪していたが、新たに所属部員の自殺が発覚したことで、日大及び上野監督がどのような対応をとるのか、注目される。

10月4日(木)発売の「週刊文春」では、A選手と同級生部員とのトラブルや、日大水泳部の「口止め」工作、内田正人・前アメフト部監督の関与などについて詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年10月11日号)

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