日本からの渡航者入国制限拡大、18カ国・地域に 29カ国・地域は入国後ホテル待機など制限

日本での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本からの渡航者に対する入国・入域制限措置を行う国が増えている。外務省によると1日時点でサウジアラビアやモンゴルなど18カ国・地域が入国を制限しており、2月25日時点の7カ国から大幅に増えた。ベトナムや台湾など29カ国・地域は入国後に隔離などで制限する措置を行っており、今後、こうした国が広がる可能性もある。

 当初、入国制限は検疫体制が不十分なミクロネシアやサモアなど太平洋の島国が中心だったが、2月末ごろから急増。日本企業の出張などにも支障が出かねず、日本政府が是正を求めている。米国の入国制限検討も報じられたが、日本側が「米国が制限すれば経済など影響が大きい」として理解を求め、1日までに措置は取られなかった。

 モンゴル、イスラエル、クウェートなどは過去14日間以内に日本に滞在した人の入国を禁止しているが、感染者がいない国を経由すれば入国できる。一方、イラクやマーシャル諸島は一律に入国を禁止し、サウジアラビアも今年開催する主要20カ国・地域(G20)関連や駐在員などの例外を除き、入国を認めない。インドは電子ビザや到着ビザを停止した。

 29カ国・地域は入国後にホテルなどで14日間の待機を求めたり、空港での検査を課したりしている。ベトナムは入国時に発熱などの症状があれば帰国を勧告し、勧告に従わなければ医療機関で14日間隔離される。

 外務省は日本の入国制限拡大を受け、「外務省海外安全ホームページ」に最新の情報を掲載するコーナーを新設した。海外渡航時に何らかの問題に遭遇した場合は在外公館に相談するよう呼びかけている。【田所柳子】

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