2ケタ成長で伸びる

今回投入を決めた新商品のアイスカフェラテは濃縮ミルクをビーズ 状のアイスに特殊加工したものを氷とともにカップに入れておき、そこ に熱いコーヒーを入れるという仕組み。江崎グリコと1年半以上の打ち 合わせを経て、新しい製法を確立したという。
鎌田氏は「基本的に味を探求していく。お客様のニーズを取り込ん だメニューができれば今後も2ケタ成長で伸び続ける」と語った。
コンビニ2位のローソンの吉澤明男・商品本部本部長補佐は「三菱 商事と原材料から入り込んで農園との関係を築き、相場に左右されない 安定供給に取り組んできた」と話す。筆頭株主で、海外のコーヒー農園 にも出資する三菱商事との連携で「コーヒー生豆の高騰という局面にお いても安定した品質と価格を維持できる」と強みを語る。
ローソンの1店舗当たりの平均販売杯数は現在1日当たり百数十杯 程度。広報室の李明氏によると6月に新商品を販売し、夏にさらに品揃 えを増やすことで販売杯数の増加を見込む。約1万店舗で販売する。      ファミリーマートも前期(同)の1店舗当たりの1日当たりのいれ たてコーヒーの平均売上高は、約9000円と前の期に比べて6割増加。広 報室の高岡夏氏によると今期(同)は1万円への拡大を計画する。

国際機関トップも「おいしい」

日本は米国、ドイツに次ぐ世界3位のコーヒー生豆の輸入大国。丸 紅の梶原氏によるとコンビニでのいれたてコーヒーは国内のコーヒー生 豆需要全体の1割弱を占めるという。価格のより安いコーヒーから高価 格のコーヒーまで様々な消費者層が育ってきているとして、今後も国内 のコーヒー需要は年間2%程度は伸びていくとの見方を示す。
「おいしい」--。国際コーヒー機関(ICO)のシルバ事務局長 が昨秋来日した際、宿泊した都内ホテル近くのコンビニでコーヒーを注 文したところ、こう感想を述べて飲み干したという。同行した全日本コ ーヒー協会の西野豊秀専務理事が明かした。コーヒーの生産・消費大国 であるブラジル出身の同氏も認めるコンビニコーヒーの味。
調査会社の富士経済によると14年のコンビニでのいれたてコーヒー の市場規模は、前の年と比べて48%増の1500億円。15年は同17%増 の1759億円への拡大を見込む。