世界3大飲料ときいて、何がパッと思い浮かぶだろうか。一般的には、コーヒー、紅茶(中国や日本茶をふくむ)、そしてマテ茶といわれている。
マテ茶はパラグライやアルゼンチンをはじめ、南米では非常にポピュラーなドリンクだ。モチノキ科の常緑樹であるマテの葉や枝を乾燥させて作ったお茶で、味わいは日本茶を渋くした感じ。ブラジルの駐在員が日本茶がわりに飲んでいたこともあるというから、いかに日本人に親しみやすい味かわかるだろう。
最近は、日本でも肉食の人々を中心に注目を集めつつあるマテ茶。先日、日本マテ茶協会がマテ茶に関するセミナーを開催。その特長などを紹介した。
そもそも南米の食生活は肉料理が中心。アルゼンチンなどは人より牛の数が多く、ステーキは400~500グラムサイズが当たり前。マテ茶はそんな肉食な南米の人々の健康のヒミツともいわれ、「飲むサラダ」とも呼ばれている。
セミナーでは大阪市立大学の小島明子准教授がマテ茶の健康効果を説明。マテ茶には、豊富なポリフェノールとミネラル、さまざまな生理活性物質がふくまれており、抗肥満効果などが期待できるという。ちなみにマテ茶のポリフェノールは赤ワインよりはるかに多い。
また、管理栄養士の伊達友美先生いわく、ミネラルは単独では吸収されにくいため、アミノ酸と一緒に摂ることで吸収率がアップするとのこと。まさに肉料理に合わせるのにもってこいなのだ。
実際、南米の人々のマテ茶の愛飲ぶりには驚かされるものがある。みんな、マイカップならぬマイマテ壺とお湯を持ち歩いており、仕事場にも持参。ドライブにも欠かせないため、ガソリンスタンドにはポットに補給用のお湯が置いてあるほど。アルゼンチンでは数年前には運転中の携帯電話とマテ茶が禁止になったという。また、何人かで回し飲むのもポピュラー。私も以前アルゼンチンを旅行中、現地ツアーの車内で突然マテ茶がまわってきて驚いたのだが、実はこれ、“友情のしるし”なんだとか。現地では飲むのが主流だが、もちろん料理に使ってもOK。2012年1月以降、都内の複数の飲食店ではマテ茶を使ったドリンクやフードメニューを提供している。たとえば、「一蓮渋谷店」では肉鍋料理やカクテルにマテ茶を採用し、外苑前のブラジルレストラン「リストランテ・カリオカ」ではシュハスコ食べ放題&マテ茶飲み放題プランを用意。また、「炭焼きステーキくに赤坂店」ではランチタイムにアイスのマテ茶を無料で提供。渋谷の「カヘミカフェ」にはマテ茶を使ったスイーツもお目見えしている。
日本でもすでに一部の人からは高い人気を誇るマテ茶。今後ますます口にする機会も増え、ブレイクする日も近そう? リアルな肉食系のみなさん、ぜひ注目を。
(古屋江美子)