車を親友に預け、病気のお婆さんを病院まで送ってもらい、あなたは理想の異性と停留所でバスを待つ――、がもっともハッピーな解決策なのですが、何のことかわからない方は前回をお読みください。
ということで、今月一六日は、二九五人の死者を出した韓国のセォウル号沈没事故から一年が過ぎたことになるが、いまだ九名の行方不明者がいるとの ことだ。痛ましい事故には国境を問わず誰もが哀悼の意を捧げるが、この事故報道をめぐり、韓国政府が耳を疑うような暴挙に出たことも記憶に新しい。
こともあろうに、朴槿恵大統領は、産経新聞がウェブサイトに載せた記事が名誉毀損に当たるとして、記事を書いた加藤達也ソウル支局長を訴えたのである。
これがいかに愚かしい行為かはおわかりだと思うが、記事は、韓国最大の日刊紙「朝鮮日報」に、『大統領をめぐるウワサ』と題された記者コラムが 載った――、というものだった。朝鮮日報は、沈没事故の際、指揮を執るはずの大統領が「七時間」も所在不明だったことを伝え、そのため、朴大統領にはある 疑惑が持ち上がったと書いた。
疑惑は、行方をくらました七時間のあいだ、妻子持ちの元秘書といちゃいちゃしていたのではないかという内容だ(掲載は昨年八月三日)。
というウワサがまことしやかに広まっていると書いたのだが、産経新聞が記事の削除要請に応じなかったため、激怒した槿恵ちゃんはソウル支局長を訴 え、韓国からの出国を禁じた。すごいね、ミャンマーの軍部がアウンサンスーチー氏を軟禁したのに似ている。その後、出国禁止措置は都合八回も延長され、支 局長には東京本社への異動が発令されていたが、支局長の帰国が許されることはなかった(八ヵ月に及ぶ出国禁止措置は今月一四日解除、加藤氏は当日帰国)。
朴大統領がやったことは、北朝鮮も真っ青の言論弾圧だった。
政府や大統領のスキャンダルを報じたら訴えるぞという脅しは弾圧以外の何ものでもなく、卑怯者のやることだ。水産高校の練習船「えひめ丸」がアメ リカの潜水艦に衝突されて沈没したとき、連絡を受けた森喜朗総理(当時)はそのままゴルフを続けてさんざん叩かれはしたが、森氏はメディアを訴えたりしな かった。サメの脳みそと揶揄されても、それを名誉毀損とは言わなかった。学生時代に買春していたと報じられたときは出版社を訴えたけど。
朴槿恵大統領のお父さんといえば、いまから五〇年前、佐藤栄作総理(当時)と日韓基本条約を締結させた朴正煕大統領(当時)だ。言うなれば世襲なの だが、この条約で日本の戦後補償問題は解決済みだ(韓国に対し日本は約十一億ドルの無償資金と借款を援助。韓国は対日請求権を放棄)。ご存じない方もいる かもしれないが、「慰安婦問題」もこのとき解決しているのだ。
にもかかわらず、二国間の取り決めをひっくり返したのが朝日新聞の「大誤報」だが、日本兵が韓国人女性を「強制連行」し慰安婦にしたと朝日新聞が アサヒる……、もとい「でっちあげ」ると、河野洋平・衆院議長と村山富市総理(連立政権当時)がそれぞれ日本を売るような「談話」を出した(河野談話は慰 安婦問題に「軍の関与」を認める内容。村山談話は日本の植民地支配を「公式」に認め謝罪 ← これが韓国の強硬な態度に言質を与える結果となった)。
朝日新聞がアサヒッた計十六本ものねつ造記事と談話はテハンミングを喜ばせ、勢いづかせた。
韓国政府は、日本の戦後補償はまだ済んでいないなどととんでもないことを言い始めたかと思えば、竹島を韓国の領土だと言い、剣道や茶道、寿司や刺 身、和牛、日本庭園など、日本の文化も韓国が発祥と言い始めた。知ってました? 韓国にかかると何でもウリジナ……、もとい、オリジナルは全部韓国らしい んです。サッカーの試合後、応援席のゴミを拾う日本のサポーターは世界から賞賛されましたが、あれも日本人が韓国人の真似をしただけなんですって。
さらには佐藤栄作、岸信介、安部晋太郎、安倍晋三……、といった一族は韓国から渡ってきた渡来人の末裔なんだそうです。記憶に新しいところでは、ソメイヨシノも済州島の桜が日本に渡ってソメイヨシノになったんだとか。韓国の主張って、つまらないコントを見るより面白い。
というか、インネンをつけられているように感じてしまうのは私だけなのか。
「日本人は胸に手を当てて、よく考え、心より反省しなければならない。それでこそ行動や言動が変わる。そういう反省をすれば、日韓関係は改善される」
「慰安婦問題は日韓両国の問題ではないのです。普遍的な人権、女性の尊厳に関する問題である(中略)このような私たち、周辺国、国際社会の声を日本政府は理解しなくてはならない」
こんなことを言ったのは、韓国外交部・趙泰永(チョ・テヨン)報道官だが、さてさて、語るに落ちるとはこのことか。韓国の黒歴史が発覚したのである。
朝日新聞が自社のねつ造記事を謝罪した後も日本を批難し続ける韓国だが、ベトナム戦争時、韓国軍は「慰安所」を経営し、現地のベトナム人女性を「慰安婦」にしていた事実が判明した。
やっちまったな、テハンミング。日本を「口撃」し告げ口外交に勤しんでいたら、それとおんなじことを自分たちもやっていたことが発覚したのだが、槿恵ちゃんはパパから聞いてなかったのかしら。それとも、自国の黒歴史には頬被りを決め込むつもりなのかな?
韓国軍にベトナム人慰安婦がいた――、と暴いたのはTBSワシントン支局長の山口敬之氏だ。赴任前、ある外交関係者から聞いた話が発端だったそうだ。
「実は、ベトナム戦争当時、韓国軍が南ベトナム各地で慰安所を経営していたという未確認の情報がある。これをアメリカ政府の資料等によって裏付け ることができれば、慰安婦問題において韓国に『加害者』の側面が加わることになる。それをきっかけに、朴大統領と韓国国民が頭を冷やし、真摯に慰安婦問題 に向きあうようになれば、事態は変わるかもしれない」
山口氏は全米三十三ヵ所に公文書管理施設を持つNARA(国立公文書記録管理局)でベトナム戦争の記録を調べ始めた。
『五〇年代前半の朝鮮戦争で国土が荒れ果て、世界の最貧国レベルにまで落ち込んでいた韓国。六三年に第五代大統領となった朴正煕は、ベトナム戦争 を復興に向けた千載一遇のチャンスと位置づけた。粘り強い交渉の結果、アメリカ政府から派兵規模に応じた補助金支給と、対米移民枠の設定を勝ち取り、六五 年から本格的に韓国軍を投入。南側では米軍に次ぐ三十一万人の韓国兵がベトナムに渡った』
山口氏が集中的に読み込んだのは、ホワイトハウスや国務省等の外交文書だった。それら資料から判明したのは、当時のアメリカ政府がベトナムにおける韓国兵の行状に、相当手を焼いていたということだった。
『韓国兵の蛮行の記録は、本格派兵直後の六五年から始まっていた。戦地での市民の虐殺、強姦から、サイゴンなどの都市部での為替偽造、物資の横流し、麻薬密売に至るまで、ありとあらゆる犯罪記録が大量に残されていた。
米軍司令部は韓国軍司令部に対して繰り返し書簡を送り、違反者の訴追と再発防止を求めたが、事態は悪化の一途をたどった』
山口氏が片っ端からコピーした資料には、強姦、暴行、窃盗、傷害、軍需物資の不正取得など、おびただしい数の韓国兵の犯罪がさまざまなかたちで記 録されていたとのことだ。アメリカ連邦議会下院の外交委員会では、一九七〇年、韓国軍による虐殺行為を追及する特別調査チームまでつくられたという。
そして、サイゴン(現ホーチミン市)のアメリカ軍司令部から韓国軍司令部に送られた書簡に、とんでもない事実が記されていた。不正な通貨を用いて 米軍の軍需物資が大量に横流しされていると指摘した文書には、一連の犯罪のひとつとして、サイゴンの中心部に置かれていた「The Turkish Bath」なる施設についても言及していた。
施設は文字どおり「トルコ風呂」と訳されるが、書簡には、このトルコ風呂で「売春行為が行なわれ、ベトナム人女性が働かされている」との記述もあった。そして米軍とベトナム通関当局が共同で家宅捜索を行なった結果が次のように記されていた。
『この施設は、韓国軍による、韓国兵専用の慰安所(Welfare Center)である』
資料の中には、韓国兵の福利厚生を担当する特務部次長(韓国軍大佐)の署名入りの書類もあり、その書類には「韓国軍による韓国兵専用の慰安所である」と記されてもいた。山口氏は、当時を知る人たちへの取材を試みる。
「『トルコ風呂』は、当時サイゴンにいた人のあいだでは『射精パーラー』と呼ばれていました。若いベトナム人女性から性的サービスを受けることができたからです」
別の米軍OBはこう証言する。
「トルコ風呂で働いているのはほとんどが二〇歳未満の農村部出身の少女だった。一六歳だと語る人もいたし、もっと若く見える女の子もいた。素朴で華奢な少女たちに夢中になる兵士も多く、彼らは周りからYellow Fever(黄熱病)と揶揄されていた」
米海兵隊の歩兵部隊長としてベトナムを知るOBも、こう証言した。
「米司令官が指摘している韓国軍の慰安所とは、韓国軍の兵士に奉仕するための大きな性的施設です。韓国兵士にセックスを提供するための施設です。それ以外の何ものでもありません」
サイゴン市内の別の場所には、ここよりさらに大きな慰安所が設けられていたとのことだ。施設は内部が多くのブロックに分かれていて、一区画に二〇人前後のベトナム人女性が働かされていたという。
「何故あのような大規模な慰安所があったかというと、韓国兵がベトナム人女性をレイプしたり、個別に性的関係を持ったりするのを防ぎたかったから です。また、韓国軍将校が農村で女性を売春婦として囲う恐れもあり、こうした行為はベトナム社会と韓国兵のあいだで政治的トラブルに発展する危険性があり ました。
それと、軍にとっては性病も大きな懸念でした。慰安所ならば慰安婦の健康を管理できます。当時、南ベトナムでは性病が深刻な問題になっていて、特に梅毒が蔓延していました」
山口氏は書く。「軍の規律維持」と「性病防止」のために、韓国政府と韓国軍が組織的な慰安所を設置、運営したのであれば、そこには明白な国家の意思が存在することになる。そして、その構図は、韓国政府が繰り返し厳しく批判する日本軍の慰安所と全く同じだ、と。
ベトナム戦争時、韓国軍はフーイエン省の海岸側のほぼ全域に駐留していたが、婦女子への性暴行や民間人の大量虐殺が行なわれていたこともまた事実だ。フーイエン省の地元紙「フーイエン新聞」のファン・タン・ビン編集長が言う。
「我々は二年間をかけてフーイエン省の村々で起きた韓国軍による虐殺事件の聞き取り調査をしました。その中には我々も耳を疑うような事例が多数、含まれていたのです」
調査報告書には、吐き気を催すようなおぞましい事件がある。たとえば――、韓国軍は村の女性を輪姦し、ナイフで乳房を切り取り、その後、女性器に ナイフを突き立てて殺害した、といった類の蛮行の数々だ。まるで弄ぶかのように子どもを殺す事例まである。資料に目を通すと、韓国兵は、本当に吐きそうに なるような蛮行に及んでいることがわかる。
六〇歳になるヒュエン・ティ・ムイ氏は一二歳のとき、村を韓国軍に襲撃された。
「一九六六年一月二三日の午後二時ごろ、韓国軍が村にやって来ました。私は咄嗟に近くの家に逃げ込んで助かりましたが、村人十三人は全員、拳銃で 射殺されました。しばらくして村に戻ってきた韓国兵は、弾が急所を外れて悶え苦しむ村人に再び銃口を向け、とどめを刺したのです」
韓国軍は、知られたところでは、ダナンからほど近いハミ村で民間人一三五人を虐殺し、ビンディン省ゴダイ集落で三八〇人の命を奪った「ゴダイの大虐殺」を起こしている。さらには一二〇〇人もの民間人を虐殺した「タイヴィン虐殺」などがある。
そして、現在のベトナムには、「ライダイハン」と呼ばれる混血児が数多くいる。
「ライ」はベトナム語で「混血児」の意味で、「ダイハン」は「韓国」という意味だ。つまり、韓国人とベトナム人のハーフを指すのだが、この混血児の中には、韓国兵による強姦が原因で生まれてきた人たちが数多くいるのだ。その数は三万人以上にもなるという。
「当時、わたしは一五〇人ほどが駐留する韓国軍基地の食堂でメイドとして働いていました。ある日の夕方、後片付けをしていると、背後から突然、複 数の韓国兵が襲いかかり、わたしをテーブルの下に引きずり込んだのです。怖くて抵抗することも、声を上げることも、目を開けることもできず、四、五人の男 が押し入ってくるのを耐えるしかありませんでした。それ以上は話したくないし、思い出したくもない」
ライダイハンを産んだ女性の証言だ。
韓国の歴史教科書には、ベトナム戦争では「一万五〇〇〇人余人の戦死・戦傷者のほか、多くの枯れ葉剤被害や民間人の犠牲、ライダイハンなど多くの 問題を残した」といった記述が見られるようにはなったが、さきの民間人虐殺の事実、そして慰安所の設置についての記述は皆無だ。
そのくせ、朝日新聞とタッグを組んで、日本を悪く言うようなことだけはしっかりと子どもたちに教えている。竹島を韓国の領土だと言ったり、日本のさまざまな文化や伝統を韓国発祥と言ったり。
昨秋の国連総会で、朴槿恵大統領はこう演説した。
「戦時の女性に対する性暴力は、時代、地域を問わず、明らかに人権と人道主義に反する行為だ」
槿恵ちゃんは、どうやら天にツバを吐いてしまったらしい。
山口敬之氏の記事は「山口リポート」として、ワシントンの政府担当者やアジア専門家たちのあいだに波紋を広げている。
民主党リベラル派のクリス・ネルソン氏は、アジアの歴史問題においては中韓両国の主張を優先し、日本を糾弾することが多いが、山口リポートが事実ならば「韓国側の偽善や二重基準が証される」と述べた。
また、慰安婦問題ではこれでもかというくらいの日本叩きを続けてきたコネチカット大学のアレクシス・ダデン教授(安倍首相を「悪漢」と罵り、菅官 房長官を「ペテン師」と呼ぶほどの反日。「尖閣諸島も竹島も北方領土も国際的には日本の領土ではなく、安倍政権がその領有権を主張するのは危険な膨張主 義」とアンビリーバボーなことを論文に書いた女性)も「韓国も同じことをしていたという主張は日本の悪事を帳消しにはしない」と意見したほどだから、山口 リポートは反日家の急所を衝いたとも言える。
が、ダデン教授の言うとおり、山口リポートは韓国政府の日本「口撃」に反撃するためのものではない。さんざん慰安婦問題で謝罪と賠償を求めておい て、お前も同じ穴の狢じゃないか、と言い返すほど日本人は浅ましい民族ではない。山口氏の、資料発掘の発端になった人物の言葉が全てを物語っている。
韓国軍がベトナムでやったことを認め、朴大統領と韓国国民が頭を冷やし、真摯に慰安婦問題に向きあうようになれば――、が資料発掘の目的だ。
冷静に、話しあおうではないか。私たちは、猛々しい盗人を隣人に持ちたくないだけなのである。