財務省が10日発表した2015年上半期(1~6月)の国際収支統計によると、日本が外国とやり取りしたモノやカネの収支を示す「経常収支」は、8兆1835億円の黒字となり、上半期として2年ぶりの黒字となった。
原油価格の下落や海外景気の緩やかな回復などで、輸出額から輸入額を差し引いたモノの取引を示す貿易収支の赤字が縮小したためだ。
半期ベースでは、東日本大震災前の10年下半期(9兆5692億円)以来の黒字水準で、日本の「稼ぐ力」が回復しつつあることを示している。14年上半期の経常収支は4977億円の赤字で、比較可能な1985年以降で初めて赤字に転落していた。
経常収支のうち、投資した海外の子会社からの配当金や債券収入などのやりとりを示す第1次所得収支は、前年同期比26・1%増の10兆5114億円の黒字で、85年以降、半期として最大となった。