日本のテレビ、新聞は恥ずかしくないのか?

昨日、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪の動画を公表した。この人はジャニーズ事務所を創業したジャニー喜多川の姪だ。母親はメリー喜多川、父親は作家の藤島泰輔だ。

被害者に謝罪するとともに「問題がなかったとは一切思ってない。行為自体は決して許されることではない」性犯罪を「事実と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではない」とし、「被害にあったと言われる方々がいることを重く受け止めている」とした。

ジャニー喜多川が事務所に引き入れた少年に性的交渉を迫り、時には虐待しながら精神的に支配し、芸能活動を行わせていたことは、週刊文春、BBCが報じたことで大事になったが、この問題が最初の告発されたのは1965年の「週刊サンケイ」が最初だ。1967年には「週刊女性」に記事が載り、1988年にはフォーリーブスの告発本も出た。

テレビ局は、ジャニー喜多川に「性加害」の事実があったことは、この時代から十分把握していたが、所属するタレントが極めて大きな視聴率を持っていたために、こうした事実を一切報じてこなかった。
日本の新聞社はテレビ局と資本関係にある。また新聞社はスポーツ新聞社を傘下に収めている。いわゆるクロスオーナーシップだ。先進国では、こういう形でメディアが関係を持ち合うことは、言論の自由と多様性に影響を与えるとして規制を加えることが多いが、日本は野放しだ。

その結果として、テレビ局が困るようなことは、新聞も書かないようになる。
また日本の新聞、テレビは「記者クラブ」と言う形で、取材対象から一括して情報を得ている。その中で「抜け駆けはやめよう」という不文律が生まれ、実質的なカルテルのようなものを組んでいる。NHKもその中に入っている。

このために、特定のニュースについては、世間がどんなに騒いでも新聞、テレビが一切触れないような事態になっている。

坂本勇人の不祥事について、新聞、テレビが一切ふれなかったのは坂本が「読売新聞、日本テレビのグループ会社の球団」にいたことが大きい。

新聞、テレビのカルテルに属していない雑誌系メディア、そして独立系の東京スポーツ、日刊ゲンダイは、そういう「不自由な大メディア」の報じないニュース、スキャンダルを報じることで大きなアクセスを得てきた。

ジャニーズの事件は、BBC、つまりイギリスの国営放送が報じたことで大事になった。これ、日本のジャーナリストは恥ずかしいと思わないのか?
極めて破廉恥で、下劣な人物が日本有数の芸能事務所に君臨し、テレビ局を支配していた。これで民主主義国家のメディアと言えるのか?

今朝のニュースではジャニーズの記者会見について全局が取り上げていたが、これほどのスキャンダルでありながら、非常によそよそしいものだった。
彼らは「偉そうにお前らが非難できるのか?ずっと前から知っていて、少年たちを救おうとはしなかったくせに」と言われれば一言も返せないからだ。

国境なき記者団によると、日本の言論の自由度は、日本は180か国の内で71位、韓国は43位、アメリカは42位、台湾は38位、日本は独裁国家ケニアや大統領が暗殺されるハイチと大差ないとみなされている。

日本のジャーナリズムにプライドがあるのなら、今からでもいいから「ジャニー喜多川の真実」について、新聞、テレビメディアが力を合わせて取材してほしい。

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