日本の対外純資産が過去最大を更新 23年連続で「世界一の債権国」

 財務省が27日発表した2013年末の対外資産負債残高によると、日本の対外純資産は、前年末比9.7%増の325兆70億円だった。増加は3年連続で、前年に続き過去最大となった。これで日本は1991年以来、23年連続で「世界一の債権国」となった。
 対外純資産は、日本の政府や企業、個人投資家が海外に持つ資産から負債を差し引いた金額を指す。
 円安が進み、海外資産の評価額が円換算で膨らんだのが増加の主な要因。景気回復で日本企業の海外企業に対するM&A(企業の合併・買収)が活発になるなど、直接投資が増えたことも押し上げた。
 国際通貨基金(IMF)の統計などによると、主要国の13年末の対外純資産は、中国が207兆6101億円で2位、ドイツが3位で192兆2121億円だった。
 対外資産残高は前年末比20.4%増の797兆770億円となり、5年連続で増加。13年末の円ドル相場が12年末に比べ22%超円安になったことが寄与した。
 海外から日本への投資を含む対外負債残高も、前年末比29.1%増の472兆700億円で4年連続で増えた。アベノミクスに伴う株価上昇で、外国人が保有する日本株が値上がりしたり、新たに日本株を買う海外投資家が増えたのが影響した。

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