日本貿易会は4日、2014年度の日本の経常収支の黒字が前年度比4.7倍の3兆9600億円と4年ぶりに拡大するとの見通しを発表した。日本企業の海外での現地生産や企業投資が増え、利子や配当が寄与する所得収支の黒字が拡大し、燃料の輸入増で過去最大となる貿易赤字を補った格好だ。
14年度の貿易収支(通関ベース)は11兆7710億円の赤字になる見通し。火力発電所向け燃料輸入が高水準で推移する一方で、円安が進んでも企業の海外生産拡大路線は変わらず、引き続き輸出が伸び悩むため。ただ、原油価格下落で輸入額はほぼ横ばいとなり、貿易赤字は2011年度以降で初めて縮小に転じた。