日本は「お買い得」 空前の円安ドル高で米国人に日本旅行が大人気

米国人が大挙して日本に押し寄せているのは、ありとあらゆるものが昨年より15%も安く感じられる円安ドル高のおかげだ。

米ドルは現在、多くの外国通貨と比較して強くなっており、米国人にとっては海外旅行が格安になっている。米国人が「お買い得な」海外旅行を楽しむには、現地通貨に対してドルが強い旅行先を選ぶのが得策だ。そうすれば、ホテルや食事、娯楽といった現地での費用が自動的に割引になるからだ。

今、アジアの国の多くが財布に優しくなっている。タイのバンコクやプーケットは、あなたの行きたい旅行先リストに入っているだろうか? 1年前と比べ、同じ額のドルでタイの通貨バーツを8.5%多く買うことができる。ドルはそのほかにも、ベトナムとインドネシアの通貨に対して8.5%、マレーシアの通貨に対して6.2%、台湾の通貨に対して5%強くなっている。だが、好調な米経済の影響を最も強く受けているアジアの通貨は、断然日本円だ。ドルの対円為替相場は現在、1年前より15%、5年前より43%も高くなっている。

円安のおかげで、米国人にとって日本はアジアで最も人気のある旅行先となった。日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外国人旅行者数が今年3月、史上初めて単月で300万人を超えた。新型コロナウイルス流行前の2019年3月との比較では11.6%増、前年同月比では実に69.5%増となる。その大半は近隣のアジア諸国からの旅行者だが、米国人旅行者にもこの情報が広まりつつある。3月には単月で過去最高となる29万100人の米国人が日本を訪れたが、これは前年同月比で42%増、2019年同月比で64%増だった。

当然のことながら、安い円のおかげで外国人観光客の財布のひもは緩くなっている。JNTOによると、1~3月期の訪日外国人旅行者の消費額は1兆7500億円に上り、2019年と比較すると52%も増加した。

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日本への航空運賃

航空運賃予測アプリ「ホッパー」によると、日本は現在、米国を拠点とするアジアへの旅行検索の29%、今年の夏の海外旅行検索の8%を占めるほど人気がある。

その莫大な需要によって航空運賃は上昇を続けている。5月出発の米国発日本行き航空券は、昨年のこの時期から4%値上がりし、平均で1281ドル(約20万1000円)だ。ホッパーによると、今夏の日本行き航空券は平均1379ドル(約21万6000円)で、昨年から2%、2019年の同期から26%上昇している。

こうした中、日米の航空会社が両国間の運航を増やしているため、航空運賃の高騰がある程度抑えられている。現在、米国から日本へのフライトは1日約60便で、新型コロナウイルス流行前に比べて6%減少している。それでも昨年の今頃、日本行きの便は1日49便しかなかったことを考えると、大幅に増えていると言えよう。今年6~8月に運航される便の座席数を合計すると、昨夏より9%多い。真夏には、日米間の航空市場は新型コロナウイルス流行前の水準にほぼ回復するものとみられる。

現在、米国の航空会社4社が日本に就航している。ユナイテッド航空(座席シェア19%)、デルタ航空(同10%)、ハワイアン航空(同7%)、アメリカン航空(同7%)だ。日本の航空会社は、日本航空、全日空、日本航空傘下の格安航空会社(LCC)ジップエア・トーキョーの3社で、定期便の座席数の半分以上を占めている。

ホッパーによると、日本への旅行を計画している米国人の92%が東京行きの便を希望しているが、羽田空港に発着できる便数は限られている。米国の航空会社に割り当てる枠の数を決定するのは日本政府だが、各航空会社は米運輸省に路線の使用権を申請する必要がある。

ユナイテッド航空とアメリカン航空は昨年、同省に米国から東京への直行便の就航を申請した。ユナイテッド航空は当初、米ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港から羽田空港への直行便の新設を望んでいたが、米グアムから東京への路線が割り当てられることになり、5月1日に就航した。同社はこのほかにも、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルル、首都ワシントンなどから東京行きの便を運航している。

アメリカン航空は6月28日にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港から東京への直行便を就航する。この新路線は同社にとって4番目の羽田直行便となる。同社はすでにダラス、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなどから東京への便を運航している。

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