国際美容外科学会が2018年度に発表した「世界の美容整形施術数ランキング」では、日本はアメリカ(1位)とブラジル(2位)に次ぐ3位。1年間の推計施術数は約320万件だ。しかし一方で、消費生活センターに寄せられる美容医療に関するトラブル相談は年間約2000件あり、訴訟につながるケースもある。美容整形は本当に安全なのか?
「スッキリ!」は女性たちの疑問を、ドクタースパ・クリニックの鈴木芳郎院長(62)にぶつけた。効果とリスクを知るため、ほとんどの施術は自分で試しているという鈴木院長、なるほど、若々しい印象だ。
「ボツリヌス治療」には治療部分が固まる心配も
まずは、「しわ取り」について。眉間や目じり、おでこなど、表情を動かすことによってできる表情じわには、ボツリヌストキシンを筋肉に注射し、筋肉を緩ませることでしわをできにくくする「ボツリヌス治療」が行われる。
中には治療部分が固まってしまったという声もあるが…。「筋肉の動きを弱める薬ですから、たくさん使うと全く動かなくなることもある。効果は徐々になくなるので、安心していい」と鈴木院長。効果は注射後、4か月から半年間なので、だんだんと動くようになる。また、何度も打っていると耐性ができ、効果が出なくなることもあるという。
加齢によるしわには、「ヒアルロン酸注射」での治療が主流になっている。「ヒアルロン酸自体には大きな危険性はないが、技術的な問題がある。危険なのは、動脈塞栓と言って、ヒアルロン酸が皮膚の血管の中に入って血管が詰まってしまうこと。皮膚が壊死を起こすこともあるし、目の周りだと失明のリスクもある」と鈴木院長。
「リフトアップ治療」で唾液が止まらない顔面神経麻痺のリスクも
次は顔のたるみをとる「リフトアップ」について。今は切開せず、細かいトゲが付いた糸を数本皮膚の下に入れ、組織を引き上げる「スレッドリフト」という手法が主流だ。施術時間は30分ほどと短く、従来の方法よりも体への負担が少ないというが…。実際、糸を見た近藤春菜は「え!太くないですか。シャーペンの芯より太いかな」と怯える。確かに、これは痛そうだ。映像で実際の施術シーンを見ると、身の毛がよだつ。人によっては閲覧注意レベルだろう。
消費者庁にはこの施術について「翌日から顔が腫れ、口が開けられず、頭皮が痛む、唾液が出続けるなどの状態になった」というトラブル相談もあるが…。鈴木医師は「糸が神経に触れ、ダメージを与えてしまうと、顔面神経麻痺になる可能性はある」と説明。また、失敗した場合、糸を取り除くための切開手術が必要になる。
続いては「二重手術」について。瞼に糸を通し、数点で固定する「埋没法」と瞼を切開して縫い合わせてラインを作る「切開法」がある。「切開法は二重の幅を切りますので、出血する機会は多い。手術中しっかりと止血しないといけません」と鈴木院長。また「広く作った二重を狭くするのは難しい。最初から大きな二重は作らない方がいい」と言う。
プチ整形経験者の高橋真麻は「もとに戻れてよかった」
最後は「しみ取り」。一般的には、レーザー照射により皮膚の内部に蓄積したメラニン色素を破壊する治療法が行われる。「レーザーを当てると、シミ部分にかさぶたができ、4日から2週間で剥がれます。それでメラニン色素はほぼなくなる」と鈴木院長。もちろんリスクはゼロではない。種類により、再発するタイプのシミもあるのだ。また、治療前よりもシミが濃くなるケースもある。施術直後から紫外線を浴びすぎるなどすると色素沈着してしまうのだ。
鈴木院長は、「女優さんの写真を持ってきて『こうしてくれ』という人もいるが、過度の期待は実現するのが難しいこともあります。カウンセリングをしっかりやって、しっかり理解した上で治療を受けることが大事」と話す。また、自分の疑問がすべて晴らされない場合は、やらない方がいいともアドバイスした。
高橋真麻(フリーアナウンサー)「私は眉間にボトックス打ったことありますし、鼻にヒアルロン酸を打ったこともあります。いわゆるプチ整形というものですが」
司会の加藤浩次「いかがでした?自分の感情としては」
高橋「私の場合、自分が思っていたのと違ったし、違和感もあった。2、3か月で吸収されるタイプのものでよかった。これが一生治らないものだったら後悔していたと思う。それで人生変わったっていう方もいるし、いい、悪いの判断は個人だと思います。でもやっぱりみんな興味はあるんじゃないかな」