日本一のアカガイ無事 名取・閖上漁港で生息確認調査

 東日本大震災の津波被害を受けた宮城県名取市の閖上漁港で9日、アカガイの生息状況を確認する調査漁が行われた。「日本一のアカガイ」と称される閖上沖のアカガイの生息が確認され、震災後初めて水揚げされた。成育も順調で、禁漁明けの9月以降、漁船が確保できた漁師から順次、漁を再開する方針だ。
 調査漁は午前9時に開始。県漁協仙台支所から借りた底引き網漁船「第3大竜丸」(4.9トン)に、閖上支所の出雲浩行運営委員長(46)ら漁師5人が乗り込み、約4キロ先の沖合に向かった。
 船尾に付けた金属製のかご状の漁具「マンガン」を海底に下ろし、漁を実施。途中、ごみが引っ掛かったため15分程度の漁だったものの、約5キロと震災前とほぼ同程度の水揚げを確保。1個当たり約130グラムと、大きさもまずまずだった。
 閖上支所は津波で所属の漁船・釣り船約100隻が全て失われたが、現在、アカガイ漁の漁師17人のうち、数人が漁船購入のめどを付けたという。出雲運営委員長は「アカガイが津波に流されず生息していたので、漁再開への希望が見えた。操業開始に向け準備を進めたい」と話した。
 同支所は29日、アカガイの放射線量測定のため、再度、調査漁を実施する予定。

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