日本人大好物のニホンウナギ、準絶滅危惧指定か

 絶滅の恐れがある野生生物をまとめた「レッドリスト」の見直しを進めている環境省は、記録的な不漁が続くニホンウナギを、初めて準絶滅危惧(存続基盤が弱い種)などに指定する方針を固めた。
 専門家会議が今月までにリスト入りを決めたのを受けた措置。身近な食材で影響が大きいため、農林水産省は反発しており、曲折も予想される。
 水産庁によると、ウナギの年間漁獲量はピーク時(1961年)に約3400トンだったが、ここ5年間は200トン台に低迷。養殖用に捕獲する稚魚(シラスウナギ)も最盛期の1963年には約230トンだったが、最近は10トンを割る年も増え、成魚、稚魚とも漁獲量は50年前の5%前後まで激減した。
 生態に謎が多いため詳しい原因は不明だが、過剰漁獲のほか、河川開発による生息地の減少、気候変動による海流変化などが指摘されている。
 人工養殖する技術は実用段階になく、現在流通するウナギは養殖を含めて天然由来のため、環境省は絶滅の恐れがあると判断。他の希少種に比べれば生息数が多いことなどから、今秋にも公表する改訂版レッドリストでは、危険度が比較的低い準絶滅危惧か、絶滅危惧2類に指定する方向で調整している。

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