政府は11日の閣議で、地球温暖化対策の新しい枠組み「パリ協定」の批准案を決定した。近く国会に提出し、モロッコで国連の気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が始まる11月7日までの批准を目指す方針だ。
岸田文雄外相は11日午前の記者会見で、「国会で速やかなご承認をいただけるよう全力を尽くしていきたい」と強調した。
パリ協定は京都議定書に代わる地球温暖化対策の新枠組みで、昨年末の第21回締約国会議(COP21)で採択。今年11月4日の発効が決まっている。
すでに米国や中国、欧州連合(EU)諸国、カナダ、ブラジルなどが批准している一方、排出量が多い主要国では日本やロシア、韓国、豪州などが未批准にとどまっている。日本政府は批准に向け早期に衆参両院の承認を得たい考えだが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる審議の影響を受け、遅れが生じる懸念も指摘されている。