日本文具大賞は「究極のシステム手帳」と「書くことを愉しむ原稿用紙」に

その年のもっとも優れた文具に贈られる「日本文具大賞」。第25回を迎えた今回も、2015年7月11日以降に発表された文具の新製品・リニューアル製品 から、「機能部門」5製品・「デザイン部門」5製品の合計10製品が優秀賞、その中から各部門1製品がグランプリに選ばれた。7月6日に発表された受賞製 品を紹介しよう。

○薄くて軽い究極のミニマムシステム手帳

機能部門のグランプリに輝いたのは、薄くて軽い究極のミニマムシステム手帳「knoxbrain LUFT」(デザインフィル)。表紙カバーの一枚の本革、オリジナルバックプレート、リングの3パーツだけで構成され、180度フルフラットに開く。これまでのシステム手帳の概念を覆した。

デザインフィルの豊田栄一専務取締役は「システム手帳はリフィルがどんどん替えられて自分のスタイルができるっていういいところがあるんですけど、ちょっ と重いとか難しそうとかいろいろデメリットもあった。綴じ手帳のいいところを取り入れて、どうしたら軽くなるのかとか開きがよくなるのかとか考え続けて、 偶然も重なり誕生した商品です。今までに使ったことがない人にとって新しい提案ができる、うれしい開発ができた」と振り返った。

○文字を書くことを愉しむためにつくられた原稿用紙

デザイン部門のグランプリには、万年筆や鉛筆などで文字を書くことを愉しむためにつくられた原稿用紙「飾り原稿用紙 碧翡翠(アオヒスイ)」(あたぼう)が選ばれた。上質な原稿用紙に美しい色とデザインが施されている。書くだけでなく、包装紙やブックカバーとして利用す るユーザーもいるという。新色の碧翡翠は初夏から夏にかけてぴったりの碧色。

あたぼうの佐川博樹代表取締役は、「みなさん原稿用紙というと『400字詰めで何枚』とか言われた小学校のときの悪い思い出しかないのではと思って、それ を壊したくて、楽しく書いていただこうと企画してつくりました。実際には6色のバリエーションがあり、好きな色で万年筆のインクとのコントラストを楽しん でいただけるようにしています。今後も色をちょっとずつ増やしていこうと思います」と語った。

そのほか優秀賞を受賞した製品は以下の通り。

○「機能部門」優秀賞

■捺印前に印面を映し出せる印鑑

印鑑の先端に触れると内蔵のLEDが点灯し、印鑑の印面が写し出される「プロジェクタースタンプ」(天野製作所)。印面を確認しながら捺印でき、正確な捺印を可能にした。

■ホワイトボードで毛筆の質感が出せる書道セット

トメ、ハネ、ハライがしっかり書けるホワイトボード専用書道セット「筆タッチ」(馬印)。液だれしにくいインキを使用。書道の指導や、案内板への案内書きに適しており、ホワイトボードの活用範囲を拡大させた。

■三つ折りのA4書類をきれいに収納できるノート

三つ折りのA4書類をきれいに収納できるサイズのノート「Ca.Crea[カ.クリエ] プレミアムクロス(NO-605GP)」(プラス)。中紙には、万年筆のインクが裏抜け・裏移りしにくいパスピエクリーム紙を採用している。

■ペンスタンドに早変わりするペンケース

上から押すだけで、ペンスタンドに早変わりするペンケース「スタンドペンケース」(LIHIT LAB.)。シリコンの素材を生かし、携帯するペンケースの機能と机上でのペンスタンドの機能を両立させた。

○「デザイン部門」優秀賞

■高度な金属加工技術が生きる仕切板

収納シーンに活躍するL型形状の仕切板「シキルイタ」(カール事務器)。アルミ製で強度はスチール製よりも約3割アップ(同社比)し、より安定した収納が可能。リビングやキッチンの整理整頓にも活用できる。

■持ち運びに便利な定規とペンのセット

定規とペンが一体化した「Pen in Ruler(ペンインルーラー)」(プリコ)。コンパクトで持ち運びに便利、シンプルながら細部にこだわったデザインとなっている。ペンはゲル芯でなめらかで書きやすく、ニードルポイントで細かな書込みが可能。

■美濃和紙の小さな手紙セット

ほっこりかわいい小さな手紙セット「そえぶみ箋 ふじやま」(古川紙工)。日本の伝統工芸品である美濃和紙を気軽に使えるようにデザインした。日々の暮らしやビジネスシーンで、ちょっとしたひと言を贈れる手軽なコミュニケーションツール。

■驚くほどコンパクトなホッチキス

コンパクトボディの斬新なデザインのホッチキス「カラーギミック」(マックス)。本体を開き、ボタンをスライドさせると針を打ち込む部品がセットされ、ホッチキスに。ボタンを戻せば、たたんで携帯できる。

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