2017年11月16日、環球時報は、中国のファーウェイ(華為)が日本の平均的な新卒報酬の2倍に当たる報酬条件で日本の人材を募集していることについて、日本社会が震撼していると伝えた。
記事によると、日本の求人情報サイトでファーウェイは6人から10人の新卒募集を出している。募集しているのは通信ネットワークエンジニアなどの4職種で、大卒の月給は40万1000円、修士は43万円、博士は要相談となっている。厚生労働省が発表した昨年の新卒者給与調査によると、大学新卒者の平均月収は20万3400円。同社は日本企業平均の2倍額を提示していることになる。
北京大学経済学院の曹和平(ツァオ・ハーピン)教授は「ファーウェイは高い報酬を与えると同時に、仕事で比較的高い負荷を課す。日本企業とは好対照だ」と指摘した。
ファーウェイの高額報酬提示は日本の就職相談会にも変化をもたらしたようだ。本来、在日中国人を対象としていた第18回東京グローバル人材就職・転職フェアには、中国人と同じくらいの数の日本人が足を運んだという。
日本企業(中国)研究院の陳言(チェン・イエン)執行院長は「日本の給与体系では研究開発者は他の職種と同水準。1990年代に日本人学生が高い給料を求めて米IBMやHPなどに就職するケースが目立ったが、今のファーウェイも同じだ。しかも米国企業のような傲慢さがなく、会社への帰属感や忠誠度などを日本企業から学んでいる」と分析する。
また、「日本の画一的な報酬制度は、過去には多数のハイテク企業を同時に出現させる効果を生んだ。しかし日本企業全体が一定のレベルまで高まった現在、その効果はますます不明瞭になっており、革新的な製品が出てこなくなった」と指摘した。
記事は、評論家の解説として「ファーウェイの事例は、年功序列制度を見直せという日本への啓示である。ファーウェイを皮切りに、今後ますます多くの中国企業が高条件で日本の人材を呼び込むようになるだろう」という見方を伝えている。(翻訳・編集/川尻)