日本経済、欧米よりも新興国への依存度高まる=日銀レビュー

 [東京 25日 ロイター] 日銀は25日発表の「日銀レビュー」で、グローバルな金融ショックや新興国の台頭が日本の輸出や生産に与える影響を分析。
 欧米と比べて日本は新興国への依存度が高まっているため、ギリシャ問題の影響が懸念される欧州経済の影響は相対的に小さいが、新興国の資産価格下落などは大きなマイナスの影響が及ぶ可能性があると指摘した。自動車など金融市場動向の影響を受けやすい資本財の輸出に依存するため、グローバルな金融危機の影響を受けやすいと総括した。
 同レビューは1980年以降に、日本や欧州(英国・ドイツ・フランス・イタリア)、米国、新興国(中国・インド・ロシア・ブラジル・インドネシア・南アフリカ)の鉱工業生産の相互の連関や影響を及ぼしあう構造をモデル化して分析。これによると新興国の生産が1%増えた場合、日本での生産の増加幅は、90年まで0.5%以下であったが、現在は1.0%以上まで上昇し、新興国の生産活動の日本への影響度合いが年々高まりつつあることを示した。
 一方、新興国の生産が1%増えた場合の欧米の生産の増加幅は現在でも0.5%程度としており、中国への地理的な近さなどを背景に日本経済の新興国依存度が高まっているとしている。
 また新興国や米国の生産動向が日本の生産にも影響を与えているものの、欧州の生産と日本の生産との間には明確な関係が認められないとの結果も示した。

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