(CNN)日本の近海に生息するイシダイが、米カリフォルニア州モンテレー湾の湾内でダイバーらに目撃されている。
イシダイは特徴的な白黒のしま模様があり、カリフォルニア近海に生息する魚とは明らかに異なる。普通は日本や韓国、中国の近海に分布しているが、同州モンテレー沖の海底の海藻密生地で見たという目撃情報が相次いだ。
イシダイは、2011年に日本を襲った津波で、がれきに巻き込まれて太平洋に流され、8000キロを横断してカリフォルニア州沿岸にたどり着いたと思われる。
津波によって海に流出した大量のがれきには、海洋生物がすみついた。そのがれきが潮流によって押し流され、海洋生物と一緒に太平洋を漂流した。
北米の西海岸にはこの7年の間、船や埠頭(ふとう)などのがれきが多数漂着している。
カリフォルニア州の海洋研究所などの研究チームがこのほど科学誌サイエンスに発表した論文によると、過去6年の間に日本近海からハワイや北米の沿岸にたどり着いた種は、289種に上る。
同研究所のジョナサン・ゲラー氏はイシダイについて、「われわれの海の中では特異な姿をしているので非常に目立つ。間違いなく、あの出来事以前は見たことのない種類だ」と指摘する。
それ以外の種については、それほど目立たないので一般のダイバーは気づかないかもしれないが、津波に流されてきた種はほかにもたくさんいると同氏は話している。