日本遺産に「桃太郎伝説」 岡山県の4市、喜びに包まれる

文化庁が24日に発表した「日本遺産」で、岡山県内からは「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま〜古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語」(岡山、倉敷、総社、赤磐の4市)が新たに選ばれた。また倉敷市が県外の26自治体とともに、昨年4月認定の「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落」に追加。4市は市庁舎に祝賀用の懸垂幕を掲示するなど、喜びに包まれた。

「桃太郎伝説−」は27の文化財でストーリー構成。同伝説の鬼、温羅(うら)の居城として門などの復元が進む30ヘクタールの巨大山城「鬼城山」(鬼ノ城=総社市)▽桃太郎を意味する吉備津彦命(きびつひこのみこと)が温羅との戦で築いたとされる墳丘墓「楯築遺跡」(倉敷市)▽吉備津彦命をまつる「吉備津神社」「吉備津彦神社」(岡山市北区)▽ともに5世紀の造営で、吉備の勢力を誇示する巨大前方後円墳の「造山古墳」(同区)と「両宮山古墳」(赤磐市)−など。

また吉備津神社境内では「矢置岩」や新春恒例の「矢立の神事」、鬼の首を埋めたという「御釜殿」など。また鬼面、鬼退治を記載した「吉備津宮勧進帳」が25日から県立博物館(同区)で公開される。

従来の文化財とは違う「岡山の桃」「きびだんご」も含まれ、地場産業振興に寄与しそうだ。

一方「荒波を−」は、倉敷市の下津井港と玉島港に幕末〜明治に北前船が寄港し、その後の繊維産業に発展する綿花取引などの歴史を持つ。両港の町並みや「旧野崎家住宅」など関係ある旧家、神社の奉納物など10点で認定された。

これで県内関係の日本遺産は5件。「各自治体の連携で新たな観光ルート構築などに」(県文化財課)と期待されている。

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