日産の高級セダン「シーマ」がHV専用で復活

日産自動車は25日、同社の最上位セダン「シーマ」を5月21日に発売すると発表した。2010年8月に生産を停止したが、1988年の初代発売時には「シーマ現象」と呼ばれるブームとなった人気車種で、既存顧客らからの要望が強いことから、ハイブリッド車(HV)専用で、旗艦車種として復活させた。
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 今回のシーマは5代目。V型6気筒3500ccエンジンに、高性能モーターを組み合わせたHV仕様となっている。V型8気筒4500ccエンジン搭載の4代目が280馬力だったのに対し、5代目は364馬力と、HV化によって大きく向上した。
 同時に、実際の走行に近いとされる基準のJC08モードで、ガソリン1リットル当たり16.6キロ走行できるなど、4代目の2倍の燃費性能を誇り、走行性能と燃費性能をともに大幅に改善させている。
 さらに、全長5120ミリ、全幅1845ミリは4代目と同じだが、ホイールベース(前輪と後輪の間の長さ)が3050ミリと180ミリ長くし、その分後部座席を広くしている。
 生産する栃木工場(栃木県上三川町)では、シーマ専用に塗装、検査工程がもうけられ、高度な技術をもつ技能者「匠(たくみ)」が手作業で製造する。塗装では製造ラインから外し、下塗りと上塗りの間に、約40分をかけ、手作業で塗膜の平滑性をあげるための「水研ぎ」作業を行う。さらに検査工程では計4時間かけて、外装、内装、走行時の静粛性などを検査するなど、匠の手による造り込みで最高品質を追求する。
 価格は735万円から。国内専用車で月間1000台の販売を目指す。
 シーマは初代がバブル経済期の88年に発売され、このクラスの高級車としては異例の年間3万6000台を販売した。このため、当時の高額商品に対する旺盛な需要の象徴として「シーマ現象」と呼ばれた。しかし、08年のリーマン・ショック後の高級車の販売低迷や、衝突時の安全基準に適合しなくなったのを理由に、日産としては新型の投入を一旦断念し、生産を停止していた。

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