日産“イケイケ”加速 新型10車種大量投入へ、第1弾は「肉食系」

 日産自動車が“イケイケ”路線を加速する。今年度は全世界で10車種の大量の新モデルを投入する計画で、9日には第1弾となる新タイプのコンパクトカー「JUKE(ジューク)」を発売した。年末には電気自動車(EV)「リーフ」の発売も予定しており、カルロス・ゴーン社長は、日産再生の総仕上げへ一気にアクセルを踏み込む構えだ。
 9日に発売した「JUKE(ジューク)」の開発テーマは、ずばり“肉食系”。スポーツカーとSUV(スポーツ多目的車)の魅力を兼ね備えた“コンパクトスポーツクロスオーバー”という、これまでにないタイプのクルマだ。
 スポーツカーのように後部にかけて流れるラインと切れ上がったスポーティーなランプのデザインが特徴。一方で、SUVのように座席位置が高く、運転もしやすい。
 ジュークには英語で「アメリカンフットボールなどでディフェンスを軽快にかわす」という意味があり、軽快なイメージから、新車ラッシュのトップバッターに指名されたようだ。
 今後も国内では高級ミニバン「エルグランド」や主力ミニバン「セレナ」など続々と新モデルの発売を控えている。また、日本で昨年度、発売した主力小型車の新型「マーチ」を世界戦略車「マイクラ」として各国に投入する。
 そして、真打ちが12月い発売するEV「リーフ」。すでに国内では予約が、2010年度の販売目標である6000台を突破するなど前評判も上々だ。ゴーン社長は将来的に年50万台を販売し、「EVで世界のリーダーになる」との目標をぶち上げている。
 ゴーン社長は、「最悪の時期は去り、日産は完全に危機を脱した」と宣言。07年度以来となる新モデルの大量投入により、10年度の世界販売台数は前年度比8%増の380万台と過去最高を目指す。
 ゴーン社長は6月でトップ就任から11年を迎えたが、「次の4年で日産の完全回復に加え、さらなるブランドの成長と規模の拡大を目指したい」と語っており、攻めの経営をさらに強める考えだ。

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