日産9月中間決算 新興国販売好調で最終益23倍

日産自動車が4日発表した2010年9月中間連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比3.5倍の3348億円、最終利益も23.2倍の2083億円と大幅な増益になった。中国を中心にアジア新興国の販売が大きく伸びたほか、国内も政府のエコカー購入補助金が追い風になったため。11年3月期の業績予想は円高が減益要因になるものの、新車投入やコスト削減効果を見込んで上方修正した。
 売上高は前年同期比27.7%増の4兆3190億円で、上期としては3年ぶりの増収を確保した。世界全体の販売台数は23.8%増の200万9000台と各国・各地域で軒並み前年実績を上回った。特に、中国で51.4%増の50万3000台と大幅に拡大したのをはじめ、アジア新興国全体では49.9%増の63万5000台と、成長著しいアジアの需要の取り込みに成功した。国内は15.3%増の32万8000台、北米が11.8%増の58万台、欧州も12.6%増の27万7000台だった。
 円高が552億円のマイナス要因になったが、販売増やコスト低減で、営業利益は3年ぶり、最終利益も4年ぶりの増益を達成した。
 下期の想定為替レートは従来の90円から80円(上期実績は88.9円)に修正。通期の平均では90円から84.4円に見直した。円高は1850億円の減益要因になるが、下期は12月に日米で発売予定の電気自動車「リーフ」をはじめ、新たに7車種を投入。これにより、通期の販売台数は過去最高の41万台を見込む。さらに部品の共通化などコスト削減効果も想定。11年3月期の業績予想は売上高を8兆7700億円(従来予想は8兆2000億円)、営業利益を4850億円(同3500億円)、最終利益を2700億円(同1500億円)に増額した。

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