[東京 13日 ロイター] – 日銀が 13日公表した地域経済報告(さくらリポート)によると、全9地域のうち北陸、東海、近畿の3地域が景気の基調判断を引き上げ、6地域が据え置いた。いず れの地域も景気は「回復」と判断。上方修正した3地域は、生産や雇用・所得の改善を背景に、景気の回復テンポが強まっていると判断した。
全9地域のうち3地域以上が景気判断を引き上げたのは、2014年1月調査で5地域が上方修正して以来。北陸は設備 投資と雇用、東海は生産と雇用、近畿は生産と雇用・所得の改善を上方修正の背景に挙げている。このうち、東海は景気について「着実に回復を続けている」と し、9地域の中で最も強い表現となっている。
項目別にみると、生産の改善を指摘する地域が目立つ。東北、関東甲信越、東海、近畿、九州・沖縄の5地域が判断を引 き上げており、業種別では電子部品・デバイスや電気機械が「増加している」、はん用・生産用・業務用機械が「緩やかに増加している」、輸送機械が「操業度 を高めている」などとしている。
一方、個人消費については全9地域が横ばいと判断。もっとも、雇用・所得環境の改善を背景に、北海道が「地域や業態間でばらつきを伴いつつも回復している」としたほか、4地域が「緩やかに持ち直し」、他の4地域が「全体としては底堅く推移している」などとしている。
設備投資は北陸が判断を引き上げる一方、東北は近年の大型投資の一巡などを背景に下方修正した。他の7地域は判断を据え置いた。
(伊藤純夫)