旧ビッグモーター不正8万件 弁済総額は数十億円、被害初開示

中古車販売大手ビッグモーター(BM)の修理不正を巡る問題で、旧BMの訴訟対応などを引き継いだ「BALM(バーム)」は20日、不要な作業を実施したり作業費を水増し請求したりした不正が最大で約8万件に上ると明らかにした。顧客への被害補償と保険会社への水増し請求の返金分を合わせた弁済総額は数十億円規模になるとの見通しも示した。

 こうした被害の全容を旧BM側が開示するのは初めて。疑いがあるものも不正があったと認めて補償の対象に含める。期間は旧BMで不正が横行し始めたとされる2018年1月から23年8月末まで。

 バームは20日、この期間に旧BMで修理した顧客全約20万人に今月下旬からおわびの手紙を送り、補償対応を始めることを正式発表した。保険を適用しなかった顧客にはバームが個別に連絡して被害額を補償する。保険金の不正請求に関してはバームが損害保険各社に返金し、自動車保険の等級訂正といった顧客対応は損保側が実施する。

 補償に一定のめどが付けば、17年以前の顧客の被害についても対応を検討する。

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