旧統一教会の解散命令、近く裁判所に請求へ 政府、方針固める

政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令を東京地裁に請求する方針を固めたことが30日、政府関係者への取材で分かった。10月12日にも宗教法人審議会を開き、盛山正仁文部科学相が解散命令請求に関し意見を聞く方針。

宗教法人法に基づく計7回の質問権行使に伴う調査とともに教団を巡る裁判資料の精査や関係者聴取から、教団による献金要求などが民事上の違法行為に該当し解散命令請求の要件となる「組織性、悪質性、継続性」が認められると判断した。

法令違反を踏まえた裁判所による宗教法人の解散命令は過去2件。地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教、霊視商法詐欺事件の明覚寺はともに裁判所が刑事事件の「組織性」を認定し、解散命令が確定した。解散命令請求としては、民事上の違法行為が理由になる初めてのケース。

問題をめぐっては昨年11月、旧統一教会に対して、永岡桂子文科相=当時=が宗教法人法に基づく質問権を初めて行使。文化庁は、教団の組織運営や財産・収支、教団による被害を訴えた民事裁判の確定判決に関する資料の提出を求めた。また問題に対応してきた全国霊感商法対策弁護士連絡会、親が信者の「宗教2世」らからの情報収集も続けてきた。

解散命令が確定した場合、教団は宗教法人格を失い固定資産税の非課税など優遇措置を受けられなくなるが、宗教上の行為は禁止されない。

一方、教団側は「違法行為の組織性、悪質性、継続性のいずれも認められず、解散命令を請求するような要件には当たらない」と反論している。

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