気象庁によると、関東甲信などで梅雨明けが早まったのは、偏西風が平年より北に蛇行した結果だという。その影響で太平洋高気圧が北に張り出して本州を覆い、梅雨前線を日本海まで押し上げた。
今後1~2週間は同じ状況が続く見通しで、その間は猛暑となりそうだ。藤部文昭・東京都立大特任教授(気候学)は「特に関東地方では、西風が山を越えて吹き下りる際に高温になるフェーン現象が起きやすく、気温が40度前後になる可能性がある」と話す。
ただ、太平洋高気圧の勢力が一時的に弱まり、梅雨前線が南下して大雨をもたらす可能性もあるという。2018年には、関東甲信で梅雨が明けた後の7月上旬に西日本豪雨が発生した。気象庁の楳田貴郁(うめだたかふみ)・異常気象情報センター所長は「『戻り梅雨』もあり得るので、大雨に対する警戒を続けてほしい」と呼びかけている。