熊本県を中心とした地震から一週間が過ぎました。被災地では、災害ボランティアセン ターの立ち上げが始まり、支援活動が進みつつあります。早稲田大学は、熊本地震のボランティア活動を考えている学生に向けて、「ボランティアの心得10か 条」をホームページに掲載しました。「被災者の生活が第一」とした上で、東日本大震災の経験を生かした内容にツイッターでは「これはいいアドバイス」「ボ ランティアに行きたいすべての人が読んだ方が良い」などと共感の輪が広がっています。
【画像】広がる共感 早稲田大の「学生震災ボランティアの心得10か条」はこちら
のべ5千人の震災ボランティア経験生かす
10か条を掲載したのは早稲田大の一機関で、2002年創設の「早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)」です。東日本大震災の被災地へはこれまでにのべ約5千人の学生ボランティアを派遣しています。
その経験から21日に掲載された文章ではまず、「ボランティアをしたい思いだけで大学生が準備もなく現地に行っても、被災者のためにはならない」と学生に 呼びかけ。さらに、一連の地震がまだ終息していないことに触れ、「安全は自身で管理するのが災害ボランティアの大原則であり、この観点からもボランティア 活動には慎重な判断が必要」としています。
10か条の中身とは
その上で、WAVOCは被災地活動をしようとする学生に向けて「これだけは守ってほしいこと」として10カ条を載せています。
【第1条 ボランティア保険(災害プラン)に入る】
【第2条 不眠不休で頑張らない】
【第3条 被災地では信頼できる人と一緒に行動する】
【第4条 まずは相手の話を共感的に聞く】
【第5条 被災者が自分たちでやる仕事を取らない】
【第6条 涙が止まらなくなったら活動をやめる】
【第7条 できないことは「出来ません」とはっきり断る】
【第8条 相手の感情に巻き込まれ過度な哀れみや同情をしない】
【第9条 子どもと遊ぶときなどは過度に喜ばせようとしない】
【第10条 ボランティア活動の運営について批判はしない】
それぞれの心得には、理由も説明されています。例えば第7条には、「被災した人の依頼を断るのは難しいことです。しかし、無償のボランティアでも『やりま す』と言ったことには責任が伴います。無責任にならないように行動することが必要です」という文章が続いています。ホームページでは、全て読むことができ ます。
「最低限注意すべきことを伝えたかった」
WAVOCによると、14日の地震以降、学生からは「何 かしたい」とボランティアに関する相談が寄せられているそうです。大学としても、支援をする方針は決めていますが、受け入れ態勢など現地の状況から、22 日昼の時点では組織としてのボランティア活動は見送っています。
一方、自発的に被災地へ向かう学生に対し、「やみくもに行かせることは できない。最低限注意すべきことを伝えたかった」とWAVOCの担当者。心得自体は2012年6月に掲載されていましたが、改めて紹介したことで、今回ツ イッターなどで拡散を続けています。担当者は「ありがたいことです」と話しました。