旬の食材を高速バスで首都圏に 宮城の生産者が販路拡大模索

新型コロナウイルスの影響で販路が縮小された宮城県内の若手生産者らが、野菜やコメ、魚介類など旬の食材を収穫直後に高速バスで首都圏に輸送し、消費者や飲食店へ宅配する新規事業を模索している。資金調達のためのクラウドファンディング(CF)を14日に開始。返礼品の発送を通じて流通状況などを確認し、事業化を目指す。
 コロナ禍で地元飲食店などからの引き合いが減った仙台市太白区の農業小田島晃治さん(44)、塩釜市の漁業鎌田雄大さん(32)が、共通の知人で太白区の企業コンサルタント小野寺仁さん(44)の提案を受けて始めた。
 計画では、9月から順次収穫されるフレンチの高級野菜サボイキャベツや新食感トマト、高級魚のヒラメやカレイなど季節の野菜や魚介類を、収穫した日の朝に仙台市から東京都内の集配業者まで高速バスで輸送。業者が消費者の自宅や飲食店へ届ける。
 小野寺さんによると、高速バスと専門の集配業者を利用した場合、農協などを通した一般的な流通に比べて3割程度コストダウンできるという。「経費削減分で生産者からの買い取り価格を高く設定し、消費者には新鮮な状態で安く提供したい」と話す。
 「コロナに負けない!食の宝庫 東北!食べて応援プロジェクト」と銘打ったCFは、生産者支援と事業化への試験的取り組みの意味を持つ。支援額は返礼品なしの3000円から、旬の野菜詰め合わせが付く5000円コース、旬の魚介詰め合わせが付く1万円コースなど6種を用意する。
 募集は30日までで目標金額は50万円。集配業者への委託費や輸送用ボックスの購入などの経費を除く約半額が生産者の売り上げになる。事業化に向けて生産者と受注の増加が課題となっており、広く参加を呼び掛けている。
 軌道に乗れば、首都圏に限らず県内、東北での流通も目指すという。小田島さんと鎌田さんは「CFによって新しい販路が広がってほしい」と期待を寄せる。
 連絡先は小野寺さんのメールinfo@story-net.jp

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