旭日旗「使用問題なし」政府見解作成へ 韓国の「反日」牽制

 韓国内で「軍国主義の象徴」「戦犯旗」と決めつけ、敵視する傾向が強まる旭日旗について、日本政府が「使用は問題ない」との認識を示す見解を作成中であることが5日、分かった。旭日旗は、日の丸(日章旗)と並んで日本を象徴する旗であり、自衛隊も長く使用し、国際的にも広く受け入れられている。政府は、旭日旗の意義を内外に改めて示し、韓国内の反日的風潮を牽制(けんせい)する狙いがある。(榊原智)
【フォト】 サッカーの日韓戦で韓国応援団が掲げた横断幕
 常軌を逸した水準に達したともいえる韓国の反日ナショナリズムによって、旭日旗の名誉が奪われることは避けなければならない。
 ▼無理がある排斥理由 
 7月28日のサッカー東アジア・カップの男子日韓戦で、韓国応援団は歴史問題を理由に日本を非難する横断幕を掲げた。日本サッカー協会は、国際サッカー連盟(FIFA)が禁ずる応援時の政治的主張に当たるとして、東アジアサッカー連盟に抗議文を提出した。
 韓国サッカー協会は日本のサポーターが旭日旗を振ったことが発端だと「反論」した。韓国サッカー協会は旭日旗は「大韓民国の国民には歴史的な痛みを呼び起こす象徴」(7月31日付韓国紙「中央日報」日本語電子版)だとしている。このような見方は韓国社会で広がっている。
 激しい韓国側の反発を受け日本側には混乱も起きている。昨年8月には日本で開かれたサッカーのU-20女子ワールドカップの大会組織委員会がスタジアムへの旭日旗持ち込みを禁止。組織委内部の指摘で開幕直前に撤回する一幕があったほどだ。
 朝、東から昇る太陽をかたどった旭日旗は、日の丸とともに「日の本の国」を象徴する。外国人から「クールだ」といわれることもある。縁起がよく元気が出るデザインとして、大漁旗も含め広く使われている。朝日新聞の社旗も旭日旗の意匠の一部を使っている。
 日本海軍の軍艦旗、日本陸軍の連隊旗も旭日旗の一種だった。大東亜戦争を含め、明治以来の近代日本の戦いには旭日旗と日の丸がへんぽんとひるがえっていたが、それを理由に排斥するのは無理がありすぎる。
 韓国の反日ナショナリズムは日の丸も否定したいが、さすがに無理があるため、旭日旗を狙い撃ちしているのではないか。ナチス党のハーケンクロイツ旗と同列視する意見まで韓国にはある。独裁政党の党旗と混同するとは失礼な話だ。
 ▼米軍はノークレーム 
 自衛隊は旭日旗を堂々と使い国際社会から受け入れられてきた実績がある。海上自衛隊の自衛艦旗(16条旭日旗)と陸上自衛隊の連隊の自衛隊旗(8条旭日旗)がそれに当たる。
 海自護衛艦が旭日旗を掲げるのは、軍艦と民間船舶を区別するために軍艦旗を掲げる国際ルールにのっとったものだ。陸自の連隊旗は部隊の名誉と団結の象徴になっている。
 大東亜戦争の相手だった米軍は、自衛隊が旭日旗を使うのに何のクレームもつけない。それどころか、友軍の旗として、ごく自然に敬意を表している。
 旭日旗の敵視は韓国政府にも及んできた。韓国外務省報道官は1日の会見で「(旭日旗が)韓国国民と、過去に日本帝国主義の被害を受けた人々に、どのような意味を持つものか日本はよく分かっているのではないか」と述べた。
 韓国の政府や軍が反日ナショナリズムに同調し旭日旗を排斥すれば、日韓両国にとって重要な自衛隊と韓国軍の防衛協力は停滞するだろう。国旗に並ぶ旗を敵視する外国の政府や軍と充実した協力などできるわけがないからだ。旭日旗の意味が分かっていないのは、韓国の方である。

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