財務省が9日発表した2014年の国際収支速報によると、経常収支の黒字額は前年より6077億円少ない2兆6266億円となり、比較できる統計となっ た1985年以降では最少の黒字額となった。半導体など電子部品やエネルギーを中心に輸入が輸出の伸びを上回る伸びとなったうえ、円安で輸入額が膨らん だ。
経常黒字が最も少なかったのは前年の13年の3兆2343億円だった。
2014年の経常収支の内訳は「貿易・サービス収支」が13兆4569億円の赤字。前年より1兆2049億円赤字が拡大した。このうち貿易収支は10兆3637億円の赤字で前年より1兆5903億円拡大した。
輸出は6兆2936億円増えて9.3%増の74兆1225億円となったが、輸入は10.3%増えて7兆8839億円増の84兆4862億円となり、輸出の伸びを上回った。
輸出は自動車、科学光学機器、金属加工機械が増加した。輸出相手国では中国が6%増、米国が5.6%増えた。
一方の輸入は半導体などの電子部品が17.4%増の4264億円と大きく増えた。またいぜんとして火力発電用のエネルギー輸入が高止まりしており、LNG(液化天然ガス)が7910億円で11.2%増えた。原油は値下がりで2.6%少ない3679億円となった。
サービス収支も3兆932億円の赤字だったが、赤字額は3854億円縮小した。
海外投資に対する配当などのリターンによる第一次所得収支は18兆712億円。1兆5957億円黒字幅が拡大した。第二次所得収支は赤字幅が9985億円拡大し、1兆9877億円の赤字となった。
同時に発表された14年12月の経常収支は1872億円の黒字。黒字は6カ月連続。