昭和レトロの逸品、その数なんと10万点! 山形・鶴岡のシャッター街に新ミュージアム

 山形県鶴岡市の商店街の空きビルに「昭和サブカルチャーミュージアム」がオープンした。秋田と地元のコレクターの収蔵品を5万点ずつ、計10万点を展示する。関係者は「昭和レトロを売りに、街を盛り上げたい」と願う。

映画ポスターやレコード、家電、漫画雑誌、玩具…

 シャッターを下ろしたままの店が目立つ鶴岡市中心部のアーケード街、銀座通り。同市のまちづくり会社社長佐藤勝彦さん(48)はおととしの暮れ、廃業した洋装店マルタの3階建てビルを購入した。

 商店街のシンボル的存在だった店舗の活用法を模索していたところ、昨年10月に明治、大正、昭和の雑貨や民具50万点を持つ秋田市の油谷(あぶらや)満夫さん(90)から収蔵品の一部を預かってほしいとの申し出があった。

 2012年に20万点を秋田市に寄贈している油谷さん。それでも残る品は自宅や倉庫に収まり切らず、置き場に窮していた。

 展示品は、油谷さん側が半年かけて20~30往復して搬入。1980年代の品を中心に集める鶴岡市の会社員五十嵐良二さん(54)も昭和グッズを持ち込み、イベントとして今年5月にビルの2階(450平方メートル)で展示公開を始めた。

 壁一面に張られた映画のポスターやレコード、家電、漫画雑誌、時代を彩った玩具の数々…。懐かしさに共感し、自身の思い出の品を提供する人が相次ぐなど、反響の大きさに背中を押された佐藤さん。当初は秋ごろまでの開催を考えていたが、商店街再生の目玉として常設することにした。

 今月6日の本格オープンでは、会場に油谷さんら関係者が集まった。ミュージアム館長に就いた五十嵐さんは「80年代の物がこれだけそろうのは希少で、油谷コレクションと合わせ、にぎわい創出に一役買えたらうれしい」と期待する。油谷さんも「思い出の品には人と人をつなぐ力がある。鶴岡や酒田ゆかりの古文書や懐かしいチラシなども見てほしい」と喜ぶ。

 ビルを所有する佐藤さんは「1階で駄菓子屋を営む人が決まるなど、支援の輪が広がる。昭和の香り漂う商店街で昭和文化を発信し、サブカルの殿堂にしていきたい」と話す。入場料は高校生以上500円。午前11時~午後4時。不定休。

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