【賢く節約 マル得のススメ】
日々闘うサラリーマンやOLにとって、欠かすことができない「お昼ご飯」。しかし、外食代もばかにならない、かといって毎日お弁当を作るのも大変…。そんな悩みを抱える社会人も多いはず。毎日必要なものだからこそ、上手にやりくりできれば大きな節約にもつながる。(小野田雄一)
◆ファミレス並み
「グリルチキンデミグラスソース定食」590円、「カニコロッケと肉詰めピーマン定食」490円、「担々麺(めん)と焼肉丼セット」470円…。ボリューム満点のメニューがトレーに並ぶ。見た目はファミリーレストランの料理と区別がつかない。東京都品川区役所内の食堂だ。
品川区は、食堂の運営をファミリーレストラン「CASA(カーサ)」を展開する「西洋フード・コンパスグループ」(豊島区)に委託している。職員互助会の会費を活用し、安価でメニューを提供。職員以外にも開放されており、職員や来庁者はもちろん、「食事目的で訪れる人もいる」(互助会職員)という。
「担々麺と焼肉丼セット」を食べていた男性会社員(30)は「近くの会社から歩いてきた。普通に外食するより200~300円は安く済み、味もそこそこ。節約したいときによく使っている」。
区役所と同様、都道府県庁や市役所、大学などは食堂が開放されているのが一般的。自宅や職場の近くにあれば、お財布の力強い味方となってくれる。
◆狙いは閉店間際
お小遣いが減る一方で、最近増えているのがお弁当だ。ただ、「早起きして作ったり、疲れて帰宅した後に翌日用の弁当を作り置きしたりするのはちょっと」という人も多い。
そんなときに役に立つのが、スーパーのタイムサービスの総菜。閉店時間間際などには半額になっていることも珍しくはない。
渋谷区の家電メーカーに勤務する女性会社員(29)は週に1~2回、帰宅後に弁当を作り置きしている。その際、おかずの一部にタイムサービスで買った総菜を加える。「コロッケなど揚げ物は自分で作るには時間がかかるが、お総菜なら手軽。お弁当箱にもう一品欲しいときや、栄養バランスを整えたいときにタイムサービス品を使う」。弁当の費用は1食300~400円程度に収まっているという。
単に安く済ませるだけなら、ファストフードやカップ麺だけ、最終的には「昼食抜き」という選択肢もある。
だが、東京家政大学栄養学科の市丸雄平学科長は「一般的にカップ麺やファストフードは野菜が少ない一方、塩分や油が多く、カロリーも高い。そればかり食べ続けると高血圧や糖尿病などのリスクが高まり、病気になれば治療費がかさんでしまう。結局はバランスの良い食事が将来的に安上がりになるだろう」と指摘する。
昼食代の節約のためとはいえ、いつもカップ麺やファストフードだけでは体に悪いのではないか。食費を削って病気になる“本末転倒”には注意が必要だ。